待ち遠しいあの新譜 / モレノ、コープランド、メルドーほか

 この新カテゴリーでは、「楽しみな新譜だが、まだ発売されておらずもどかしい」的なニューアルバムを随時取り上げ、期待を熱く語ります。

 みなさんもお目当ての新譜があれば、「このアルバムではギタリストの○○にこう期待してるんだ!」みたいな抱負やらコアな新譜情報をぜひコメント欄にお寄せください。みんなで情報交換しましょう。

【Joe Sanders / Introducing Joe Sanders】

 さて目下、非常にきわどい位置にあるのが、Criss Crossから2月21日に発売されたばかりのこやつであります。はい、ジョー・サンダースのファースト・リーダー作「Introducing Joe Sanders」です。

js_i

Joe Sanders (b)
Luis Perdomo (p)
Will Vinson (as)
Rodney Green (ds)
Gretchen Parlato (vo)

 本作はおそらく流通の状況から、アマゾンでは「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」表示が出ています。一方、私がすでに発注しているHMVでは「通常ご注文後 6-9 日以内に入荷予定」となっていますが、こんなものはアテになりません。かたやVENTO AZULでは「3月20日入荷予定。ご予約承り中です」とのことです。

 こうした状況から本盤はすでに発売されているにもかかわらず、日本ではまだ誰も入手してないのではないかと思われます。いや、ひょっとしたらブログ「Jazz&Drummer」主筆のnaryさんあたりがすでに密かにゲットされている可能性もなきにしもあらずですが、詳細は不明です。

 ちなみにジョー・サンダースは、天才ピアニスト、ジェラルド・クレイトンのレギュラートリオの一角を務めるベーシストです。若手の中では当ブログいち押しの使い手であり、我が家の所蔵盤で彼のプレイが聴けるのはクレイトンのデビュー作「Two-Shade」(2009)、セカンドアルバム「Bond:The Paris Sessions」(2011)、ウォルター・スミスⅢ「Ⅲ」(2010)あたりです。

 また本作は、サイド参加のウィル・ヴィンソンも見逃せません。彼の最近の参加作としてはジョナサン・クライスバーグの「Shadowless」(2011)、アリ・ホーニグの「Live at Smalls」(2010)などがあります。ですが、どちらもウィル・ヴィンソンの暗くてクールな抑制キャラとは似ても似つかないネアカ作品です。必然的に彼は持ち味を発揮しているとは言えません。だってウィル・ヴィンソンに「熱く躍動的にプレイしろ」などというのは、人間にエラ呼吸しろというようなもんですから。

 ところがジョー・サンダースの本盤をネット試聴した限りでは、楽曲が非常に彼にマッチしています。かなり期待できそうです。それにしてもまさかジョー・サンダースとウィル・ヴィンソンが、いっしょにプレイするなんて想像もしませんでした。

 だってジョーは前述の2分法でいえば、明らかにクライスバーグやホーニグみたいな「明るく躍動的でネアカ」なキャラだからです。ところがそのジョーの書いた楽曲が、暗くてクールなウィル・ヴィンソンにぴったり合っているのですからおもしろいものです。これもひとえにいろんな若手にチャンスを与えるCriss Crossマジックといえるでしょうか。

 ヴォーカルで1曲のみ参加のGretchen Parlatoも、試聴した限りでは相当いい雰囲気の女性ヴォーカルです。いまから聴くのがとても楽しみなアルバムであります。まだクルックーしてない方はお早めにどうぞ。

【Mike Moreno / Another Way】

mm_a

Mike Moreno (el-g, ac-g)
Aaron Parks (p)
Warren Wolf (vib)
Mat Brewer (b)
Ted Poor (ds)

Chris Dingman (vib)
Jochen Rueckert (ds)
(3月発売)

 このマイク・モレノの新作は、アルバムの制作費用をキックスターターでカンパなさったブログ「灼熱怒風 シーズン2」編集長、HamaVenturiniさんが投資者特権(笑)で先行入手され、早くもその興奮を自ブログで熱く語っておられます。

 HamaVenturiniさん情報では一般向けの発売は今年3月になる模様ですが、実は欲しい人はマイク・モレノのウェブサイト経由ですでに買えるようです。あとYouTubeにもバンバン曲が上がっています。試聴しましたが、デビュー作「Between The Lines」に近い感じでかなりいいです。

 本作は、これまた当ブログいち押しベーシストであるマット・ブリューワーのほか、アーロン・パークス(p)やウォーレン・ウルフ(vib)、ヨッケン・リュッカート(ds)まで参加するという大盤振る舞い。新譜買いジャズファンにとっては、まさに必買のマストアイテムといえるでしょう。

【Marc Copland Trio / Some More Love Songs】

mc_s

Marc Copland(p)
Drew Gress(b)
Jochen Rueckert(ds)
(3月31日発売)

 こちらはブログ「中年音楽狂日記」主幹、Toshiyaさんからのタレコミで明らかになった大魚です。なんとマーク・コープランドがあの名盤「Some Love Songs」(2005)の二匹目のどじょうを狙い、あ、いや、「コンセプトを継承」し、必勝の体勢で臨む新作です。

 リズム隊はもちろんドリュー・グレスとヨッケン・リュッカートですから、ハズすわけがないでしょう。現に当方所有の同コンビ参加作はハズレが1枚もありません。本作もモレノ盤同様、新譜買い野郎ども必買のマストアイテムでしょう。

【Brad Mehldau Trio / Ode】

bm_o

Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Jeff Ballard (ds)
(3月13日発売)

 ご説明するまでもない先生の新作です。感慨深いです。思えば70~80年代前半のフュージョンブームにすっかり飽き、ジャズを聴かなくなった私を出戻らせたのが先生との出会いでした。

 行きつけのジャズ喫茶で初めて先生の演奏を聴き、例によって雷に打たれたようなショックを受けてよろよろと立ち上がるや店の奥にいたアルバイトの女性に向かい、「今、かかってるピアノ弾いてるのは誰ですか? キース・ジャレットですか?」とまあ、こっぱずかしい問答をやらかしたのが現在のこの尋常ならざる新譜買い漁り行動の始まりでした。ここから先生とジョン・スコのアルバムを手当たり次第に買い始め、それが90年代にジャズへ出戻るきっかけになりました。

 くだんの女性アルバイト店員さんに「The Art Of The Trio Vol.1」をクリスマスプレゼントし、強引に口説こうとしたのも懐かしい思い出です。見事にふられ、贈った「The Art Of The Trio Vol.1」は密かにその店の所蔵アルバムと化したのは店のマスターには内緒です。おや、新譜紹介コーナーのはずが、いつのまにか「私の上を通り過ぎて行った女たち」企画に変わっていますが世の中そんなもんです。

 以上、このコーナーは予想以上に手間がかかり、もう疲れたのでこのへんで第一弾を終わります。なお本企画は随時投入する予定ですから、御用とお急ぎでない方はぜひコメント欄への新譜タレコミ、よろしくお願い致します。ぜんぜんあてにせず待っております。
スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

プロフィール

松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

最新記事
カテゴリ
ブログ内検索
全記事一覧・表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR