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Matteo Sabattini MSNYQ / Metamorpho

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Matteo Sabattini (as)
Mike Moreno (g)
Aaron Parks (p)
Matt Clohesy (b)
Obed Calvaire (ds)
Chris Potter (ts on 4)

Rec. 2011, at Park West Studios, NY
Engineer: Jim Clouse (FSNT 401)

モレノ、パークスらNYオールスターズが贈るバラード集

 ニューヨークで活動するイタリア人アルト奏者、マッテオ・サバティーニのセカンド・リーダー作だ。デビュー作は同じFSNT発の 「Dawning」 (2010年、レヴュー記事はこちら)。前作よりしっとりした内容になっており、大人のバラード集という趣だ。

 メンバーは前作に引き続きマイク・モレノ (g)、マット・クローシー (b)、オベド・カルヴェール (ds)に加え、新たにアーロン・パークス (p)が参加している。またゲストとしてクリス・ポッターがM-4で吹いているのも話題だ。

 まず一聴してパークスが入るとこんなにバンドが締まるのか、という感じ。前作とくらべ、かっちりアレンジされた比率が高くなっている。おとなしい曲が多く前作のような派手さはないが、個人的にはこちらの方が好みだ。

 なによりドラムスの出番が少ないバラードが増え、前作ではドカドカうるさかったカルヴェールのドラミングが必然的に抑えられ、楽曲が聴きやすくなったのが大きい。淡々と感情を抑制したような持ち味のサバティーニのアルトも、こういう静かな曲調のほうが明らかにマッチしている。

 ピアノとアルトだけのデュオ曲(M-5)や、アコギとアルトのデュオ曲(M-8)など、ドラム・レスの曲を入れているところを見ると、リーダーのサバティーニもドラマーの処遇を持て余しているのかもしれない。ホットに暴れるカルヴェールとクールに醒めたサバティーニでは正反対の志向性で水と油だし、今後も本作のような静的な方向で行くならドラマーがカルヴェールである必然性はまったくないからだ。アルバムタイトルの「Metamorpho」は変身、転生みたいな意味だが、「今後はバンドの方向性を変えるぞ」ということなのかもしれない。

 オリジナルが9曲に「Body & Soul」の合計10曲。M-2の 「Tears Inside」 はマイケル・ブレッカーに捧げられている。M-1ではギターとベースのリフを土台に、さっそくパークスが必殺のピアノソロを見舞う。彼はM-7、M-9でも陰影感のある痺れるソロを弾いている。

 一方、M-2はモレノの物悲しいギターソロでぐっと腰を落として聴く気にさせられる。モレノはM-9でも、先発のパークスにインスパイアされたかのような映えるソロを弾いている。なんだかパークスとモレノを聴いてるだけで満足してしまう1枚だ。

 前作ではドラムが気になり耳に入ってこなかったマット・クローシーのベースもよく聴こえる。相変わらずいいベースだ。ドラマーが曲調に合わせてアクセントをつけるだけで、これだけ同じバンドが変わるのだから音楽はおもしろい。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Matteo Sabattini MSNYQ / Dawning

Matteo Sabattini MSNYQ  Dawning

Matteo Sabattini (as)
Mike Moreno (g)
Lage Lund (g on 7)
Kristjan Randalu (p)
Matt Clohesy (b)
Obed Calvaire (d)

Rec. May 25-26, 2009, at Park West Studios, NY
Engineer: Jim Clouse (FSNT 380)

ドラマーの迷演が光るイタリア人アルト奏者のデビュー作

 ニューヨークで活動するイタリア人アルト奏者、マッテオ・サバティーニのデビュー作。だがうるさいドラミングがせっかくのオリジナル楽曲を壊しており、「やっちゃった感」のある作品だ。

 メンバーはマイク・モレノ (g) 、マット・クローシー (b)、オベド・カルヴェール (ds)に加え、ラーゲ・ルンドがM-7にゲスト参加している。メンツだけ見るとマーケティング的にはおいしいアルバムといえる。

 オリジナル6曲に 「Estate」、「The Nearness Of You」の合計8曲。M-1の 「Estate」 は、テーマは耳タコだがアルト・ソロに入るとなかなか聴ける。途中からリズムが変わりモレノの弾むようなギターソロへ。選曲自体は疑問だが各人のアドリブはいい。

 M-2は音数が多くバタバタうるさいドラムスが耳障りな曲。インタープレイというより自己陶酔の世界だ。一方、ここでのモレノのソロは手クセが多く、手垢がついたフレーズのオンパレードで珍しく今ひとつ。

 M-3は美しいメロディーだが、一手、二手、手数が多すぎるドラムが気になり素直にテーマに乗れない。M-4はまたもドラムの音数爆弾が大炸裂。こんなデリカシーのないドラマーはひさしぶりに聴いた。やれやれ、である。

 同じように音数の多い激しいプッシュをしても、エリック・ハーランドやビル・スチュワートのように「手数が多い=うるさい」と感じさせない抑揚のついたアクセントの多彩さがあれば別の話だ。彼らは手数の多さを「興奮」へと導き出せる。だがカルヴェールはただ「手なり」で何も考えず音符を詰め込んでいるだけに見える。これだけ一本調子では疲れるだけだ。

 個人的にはマット・クローシーのベースも楽しみにしていたのだが、ドラムの音が耳障りでさっぱり聴き手の視界に入ってこない。主役のサバティーニもデビュー作をさんざん荒らされて気の毒だなぁ、と思ったら……なんと続くセカンド・リーダー作 「Metamorpho」 (2012年、レヴュー記事はこちら) でも同じドラマーを起用している。非常に驚いた。

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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