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Jeremy Udden - Nicolas Moreaux / Belleville Project

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Jeremy Udden (as, pump organ, Prophet 5)
Nicolas Moreaux (b, toy piano)
Robert Stillman (ts, p, pump organ)
Pierre Perchaud (ac-g, el-g, banjo)
RJ Miller (ds)
Pete Rende (CS-60, Prophet 5, pump organ, organ)

Recorded: March 30-31, 2012, at Studio Pigalle, Paris
Engineer: Celine Grangey (Sunnyside SSC1388)

草原の輝きと入道雲が見えてくるなごみの良盤

 青々とした草原にゴロンと寝転がり、青空を見上げる。入道雲がもくもくと風に吹かれて移動している。今日はやけに時間がたつのが遅いなぁ――。そんなのんびりした風景が見えてきそうなアルバムだ。ブルックリンに拠点を置くミクスチャー職人、ジェレミー・ユーディーン(as)がリリースしたばかりの最新作である。

 ジャズにカントリーやフォーク、ロックをまぶし、3日間、コトコト煮込んだ深みのある味わい。アルバムに含まれるこれらの要素は驚くような密度でたがいに融合しており、完全にひとつの新しいジャンルとして成立している。のどかな自然をイメージさせる暖かみのある作品に仕上がっている。

 本作はパリを拠点に活動しているフランス人ベーシスト、ニコラ・モロー (1973年生まれ) との共同名義だ。アルバム・タイトルにもなっているパリ郊外のベルヴィルでレコーディングされている。実はこのプロジェクトは、ひょんなことから始まった。当時、パリでハウス・シッターをしていたユーディーンはセッション・アーティストを探していたが、SNSで知り合ったのがモローだったのだ。

 ユーディーンはすでに、生まれ故郷の名を冠した 「Plainville」 プロジェクトやリーダー作 「Folk Art」 (2012) で、ジャズ界にオンリーワンの地位を築き始めていた。一方のモローは、セカンドリーダー作 「Fall Somewhere」 (2013) のレコーディング・セッションで、ティグランやビル・マクヘンリーと共演していた頃だ。たがいにジャズという狭いカテゴリーに収まらない才能をもち、音楽的に気が合った2人は交流を続け、ついにレコーディングへと発展した。それが今回の作品である。

 ユーディーンが4曲、モローが5曲、メンバーのロバート・スティルマン(ts)が1曲を持ち寄った。アメリカのジャズやカントリー、フォークだけでなく、フランスの映画音楽の要素までがブレンドされている。特にバンジョーの音色がなごむのどかなM-1、哀感あるフレーズのリフが物悲しいM-3、ナチュラルなギタープレイが清々しいM-4、圧倒的にメロディアスなベストトラックのM-7が印象に残る。

 全体にギターとバンジョーを操るフランス人ギタリスト、Pierre Perchaud (1981年生まれ) のプレイがとても利いている。まるでビル・フリーゼルがくり出す魔術のようだ。彼のつまびくギターとバンジョーが本作に夏草の香りと草原の輝きをもたらしている。Pierreは自身の最新リーダー作 「Waterfalls」 (2013) でも本作のモローと共演しているマジカルな気鋭の若手ギタリストである。

 うららかな春、iPodでこのアルバムを聴きながらオープン・カフェでちょっと一服。なごめる音と自然の風が心地いい。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Jeremy Udden / Torchsongs

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Jeremy Udden (ss, as)
Nathan Blehar (ts)
Ben Monder (g)
Tim Miller (g)
Leo Genovese (el-p)
John Lockwood (b)
Garth Stevenson (b)
Matt Wilson (ds)
Ziv Ravitz (ds)

Rec. December 7-8, 2003, and Aplil 15, 2005, at pbs studios, ma
Engineer: peter kontrimas (FSNT 253)

ベン・モンダー参加、ミクスチャーする曲者ユーディーンのFSNT発デビュー盤

 フォーキー&カントリーっぽい要素がミクスチャーされて行った以後の作品にくらべ、ジャズ聴きにはこのFSNTからのデビュー盤がいちばん心地いいかも? とはいえロックっぽいM-4やM-6、またフリー的なM-5あたりを聴くと、やっぱりジェレミー・ユーディーンは初期からいろんなものを混ぜるのが好きな人だったんだな、とわかる。

 M-5とM-6以外はすべてオリジナル、全体に耳に残るメロディが多く、秀曲がふんだんに詰め込まれている。M-1やM-6のようにパッと聴いて 「いい!」 と感じるメロディアスな曲が目立つが、しかしキャッチーというのとはちょっとちがう。キャッチー→覚えやすい→単純→すぐ聴き飽きる、みたいな図式とはまったく別の回路で楽曲が構成されている。なかなか優れたコンポーザーである。

 彼のサックス・プレイはあえてカテゴライズすればトリスターノ系のリー・コニッツ風味だ。エネルギッシュに躍動せず、気張らずクールに抜いて吹く。マーク・ターナーやクリス・チークがブレイクした90年代後半~2000年代以降、NY界隈ではすっかりこっち系のサックス奏者がよく目につく。

 といいながらM-8のとぼけたフレーズとリズムはどこかで聴いたことがあるぞ? と思って取り出したのはジョー・ロヴァーノの 「From the Soul」 (1992) だった。ターナーやチーク以前のこっち系の人といえばロヴァーノなのでやっぱり接点あるんだなぁ。

 ちなみにこのロヴァーノ盤のドラマーはオーネット・コールマンやエリック・ドルフィーらと共演歴があるエド・ブラックウェルで、本作のドラマーともスタイルが近い。なるほどユーディーンのルーツの一端が見えた感じだ。

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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