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Chris Morrissey Quartet / The Morning World

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Michael Lewis (sax)
Peter Schimke (p on 3, 4, 5, 7, 9)
Bryan Nichols (p on 1, 2, 8)
Chris Morrissey (b)
David King (ds)

Recorded: August 2008, at Pachyderm Studio, MN
Engineer: Brent Sigmeth (Sunnyside ‎SSC1208)

自然な風合いが心地いい傑作ミクスチャー・ポストロック

 生音オンリーのナチュラルな音作りと、メロディックなコンポジションが気持ちいい。ジャズとロックをミクスチャーし、全く新しいコンテンポラリー・ジャズを生み出している。ブルックリンを拠点に活動する名メロディ・メーカー、ベーシストのクリス・モリッシーが2009年にリリースしたデビュー・アルバムだ。

 音の方向性は最新作のセカンド盤 「North Hero」 (2013年、レヴュー記事はこちら) とくらべブレておらず、クオリティも甲乙つけがたい。現在へと至る道程がはっきり見て取れるデキだ。もしタイムマシンで時間を遡り2009年に戻れたら、迷うことなくその年の新譜ベストテンに入れたいおすすめ作である。

 全9曲すべてクリスのオリジナル。不良のテーマ風っぽいメロディーが耳に残るM-1や、3拍子の滑り出しから急にアップテンポになるのが快感のM-2、途中から4ビートになるがリズムの変化が目まぐるしく凝った曲のM-3、デイヴ・ダグラスが90年代に結成していた 「The Tiny Bell Trio」 風でサーカスの楽隊がふざけて演奏しているようなテイストのM-7あたりが印象に残った。

 どこか奇妙に懐かしい和むメロディーがあたりを覆っている。ジャズをまったく知らないか、知ったかぶりした悪ガキが背伸びしてやってるジャズ、という感じだ。

 明らかにロックの影響があり、だがそれだけでなくいろんなものが混ざってるミクスチャー系。むしろロックのミュージシャンによる、ポストロックの側からの新時代への回答という感じがする。とはいえ作りはワンホーンで要所では4ビートも散見される。純粋なジャズ・マニアが聴いてもまったく違和感ない音だ。

 絶対に機械で作った音に頼らず、あくまで自然な生音で真正面から立ち向かっているのもポイントが高い。ナチュラルだけど先端派。そこが大きなセールスポイントだ。とっても好感が持てる。

 すごく高度なことをやってるんだけど、決してそれをこれ見よがしに表へ出さない。そこがかっこいい。クリスはきっと、テストの前日に 「オレぜんぜん勉強してねえんだよなぁ」 と言いながら100点を取るタイプの子供だったのだろう。

 それくらいハデさがまったくない。うんと素朴なテイストだ。だがそれでいて、やってることはえらくハイレベルでおしゃれ。センスがいいなぁ、と唸らされる。ハイ、参りました。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Chris Morrissey / North Hero

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Chris Morrissey (b)
Aaron Parks (p)
Mike Lewis (sax)
Mark Guiliana (ds)

Recorded: January 13-14, 2013, at Trout Recording, NY
Engineer: Bryce Goggin (Sunnyside SSC1332)

アーロン・パークス参加、ロック世代の新世紀ジャズ

 ディスクユニオンのブログで見かけた掘り出し物だ。ネット試聴したらなかなか若い音だったので買ってみた。ブルックリンを拠点に活動するベーシスト、クリス・モリッシーのSunnysideレーベル第2弾。クリスの故郷、ミネアポリス発ミクスチャー・ジャズ・ロックである。ハッピーなメロディと弾むノリ。さりげなく変拍子や8ビートを散らすなど、わかる人にはわかる凝った作りがニクい。

 メンバーにはアーロン・パークス(p)のほか、あのブラッド・メルドーとのエレクトリック・デュオ 「Mehliana」 で話題の売れっ子ドラマー、マーク・ジュリアナが参加している。主役のクリスは、マークと同じ1980年生まれ。リーダー作には本盤のほか、デビュー作 「The Morning World」 (2009年、Sunnyside)、「Cannon Falls Forever」 (2011年、自主制作盤) がある。

 全8曲すべてクリスのオリジナル。明るくのびのびした音だ。全体に新しい感じがムンムンするが、新感覚の才気ある人がモノを作ると自然にこうなるのだろう。まずアレンジがいわゆるジャズ的でないし、使っているコードの響きもそう。だけど根っからのジャズ好きが聴いてもぜんぜん違和感ないところが不思議だ。本人は特別ジャズだのロックだの、窮屈な区分けにはあんまりこだわってないのだろう。

 ちょっと驚いたのは、パークスが今まで聴かせたことのないようなスタイルでプレイしていることだ。なるほど土台がこうだと、こういうピアノも弾けるのか。特にM-4での彼らしくない、だが最高にエグってくるソロあたりは典型だ。サックスはそこはかとなくクリス・チーク風。ドラマーのマークはパワフルでいかにもロック「も」やってます、みたいな感じ。バスドラの踏み込み方に特徴があり、楽曲に表情をつけるのがうまい。適度に重いノリもマルだ。

 畳みかけるような速いテンポで幕を開けるノリのいいM-1から、一転して静かな滑り出しが清々しいバラードのM-2。ちょっとポップで透き通るような透明感にキリッとする。お次のM-3はやっと出ました、てな感じのはつらつ4ビート。パークスが存分に暴れたあとのサックスとドラムの掛け合いがスリリングだ。

 だるくルーズな雰囲気がなんとも気持ちいいM-5をはさみ、8ビートを大胆に取り入れたM-6は本盤のハイライトである。急き立てるような前ノリに、苦み走ったテーマ。こやつは完全にロックといっていいだろう。美しいピアノのイントロで始まるM-7は、ポップでメロディアスな極上のバラードだ。最終曲のM-8がこれまた美メロのまったりダルな展開から、ラストは壮大に盛り上がってアルバムは幕を閉じる。

 ちなみに 「新世紀ジャズ」 とか 「ミクスチャー○○」 なんていうと打ち込みバリバリだったり、はたまたリズムがヒップホップだったり、ボイスやら効果音使いまくりだったりするコケおどし満載の残念な内容を予想する向きもあるが、さにあらず。本作はそのテの小細工いっさいなし。ナチュラルな生音だけで真っ向勝負の力作です。ご期待あれ。

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※本盤は水色のきれいなdigipak仕様ジャケットで、開くと内側がかわいいオレンジ色。水色とのコントラストがくっきり鮮やか。おしゃれです。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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