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Joonas Haavisto / Blue Waters

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Joonas Haavisto (p)
Antti Lotjonen (b)
Joonas Riippa (ds)

Recorded: February 27-28, and April 20-22, 2009, Finland
(Rockadillo Records ZENCD2130)

フィンランド産ピアノトリオが紡ぐ氷の夢

 いま圧倒されて口もきけない状態になっている。途方もない埋蔵量の金脈を掘り当てたような気分である。1982年フィンランド生まれのピアニスト、ヨーナス・ハーヴィストが2009年にリリースしたデビュー作。どこまでも透明でモノクロームのめくるめく永遠が続く。

 いままで過去に聴いたピアノトリオでベスト3をあげるとしたら、ブラッド・メルドー、マーク・コープランド、そしてこのヨーナスだろう。それほど独自の個性と鮮烈なインパクトがある。一撃でリスナーを捕らえる武器をもっている。

 彼はこれまでに2nd盤の「Micro to Macro」(2012年、レビュー記事はこちら)、3rd盤「oku」(2016年、レヴュー記事はこちら)を発表しているが、このデビュー作がいちばん耳に残るメロディーが多くてわかりやすい(ポップという意味ではない)。初めて聴く人にはやや重苦しい最新作の3rd盤より、完成度が高い2nd盤か本作をおすすめしたい。

 1曲を除きすべてオリジナルの全8曲。ぎらぎらとエネルギッシュで熱い音か? サラサラと静かに流れ出す清水のような音か? といえば明らかに後者だ。いや案外ノリのいい曲もやっているのだが、決してわかりやすくホットに熱くならない。しんしんと底冷えのする氷室から密やかに漏れ出す音、という感じ。極寒で自然が厳しい故国フィンランドの空気感に満ちている。極めて現代的なジャズである。

 3rd盤の日本語版解説にはキース・ジャレットの影響を受けていると書いてあったが、ぶちゃけ、この人は誰にも似ていない。彼にしか放てないとっておきの音の言霊をもっている。ヘルゲ・リエン・トリオみたいに絶対ポップにならないでほしい。どうかこのままそっと、たおやかに。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Joonas Haavisto Trio / Micro to Macro

1

Joonas Haavisto (p)
Antti Lotjonen (b)
Joonas Riippa (ds)

Recorded: December 19-21, 2011, at Kallio-Kuninkala Studios, Finland
Engineer: Kimmo Antikainen (Blue Gleam BG005)

北欧ピアノトリオの枯淡な舞い

 ひさしぶりにピアノトリオにやられた。こいつはすごい。2012年にリリースされたフィンランド出身のヨーナス・ハーヴィスト・トリオ2nd盤。涼しげな清流のひとしずくが大地に染み渡るような悠久の時の流れを感じさせる。

 ピアニストのヨーナスは2009年に初リーダー作「Blue Waters」をリリースして以降、端正な曲作りが支持され日本でもブレイクした。4月にはジャパン・ツアーを終えたばかりだ。メンバーはヨーナスのほか、デビューからずっと活動を共にしているアンティ・ロジョネン(b)、ヨーナス・リーバ(ds)が参加している。

 全8曲すべてヨーナスのオリジナル。先日リリースされたばかりの3rd盤「oku」(2016年、レヴュー記事はこちら)の評でも書いたが、故国フィンランドの冷たい雪景色が見えてくるような音でアルバムは満たされている。音を色で表現すれば、彼らのジャズは雪のように真っ白だ。

 明らかにクラシックの影響があり、ブルージーな要素を感じさせない。あくまで淡々と、ひんやりした寒色系の音使いで北欧の曇り空のようなメランコリックな世界を紡いで行く。空間を感じさせる音の広がりと、その枯淡な味わいにじんわり心が癒される。

 けっこうリズミックな曲もあるが、ホットなアメリカの黒人系ジャズとは明らかにちがう。エネルギッシュに粘らず、さらさらと流れて行く。そこがいい。リズムにいい意味で重さがなく、ひらひらと軽やかに宙を舞うピアニズムに幸せな気分になれる。4枚目のアルバムが待ち遠しい。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Joonas Haavisto Trio / Oku

1

Joonas Haavisto (p)
Antti Lotjonen (b)
Joonas Riippa (ds)

Recorded: April 15-17, 2015, at Kallio-Kuninkala Studios, Finland
Engineer: Mikko Raita (Blue Gleam BG007)

ひたひたと水をたたえる北欧の湖面が浮かぶ

 熱さやノリのよさとはまるで無縁だ。ひたひたと水をたたえた冬の湖面のように、ひたすら静かでクールな演奏が続く。淡々とした幾何学模様の抽象的な世界が広がって行く。フィンランド人ピアニスト、ヨーナス・ハーヴィストがリリースしたばかりの新作である。

 ヨーナスは2009年にデビュー・アルバム「Blue Waters」を発表。日本デビューとなったセカンド作「Micro to Macro」(2012年)がピアノトリオ通の間で話題を呼んだ。本作はそれに続く第3作になる。また本年4月からはジャパン・ツアーも控えている。

 彼は日本の文化やメンタリティに深い興味を抱いており、アルバム・タイトルの「オク」も日本語の「奥」を指す。つまり「奥ゆかしい」とか「奥深い」のような含みをもたせた。また7曲目の「Chilling at Sinjuku」も東京・新宿をイメージして書き下ろされている。

 メンバーはずっと完全固定のスタメンだ。デビュー作からトリオを組むアンティ・ロジョネン(b)、ヨーナス・リーバ(ds)がサポートする。彼らは故国のトップ・ミュージシャンである。

 オリジナル8曲にスタンダードナンバー「When I Fall In Love」を加えた合計9曲(日本盤ボーナストラック含む)。アルバム冒頭を飾る「One For Jean」は、ヨーナスの母国であるフィンランドの著名な作曲家、シベリウスのために書き下ろされている。

 音楽とは、作者の生まれ育った環境が反映されているのが常だ。本作もその例にもれず、見渡す限り真っ白な雪景色のような世界が広がる。目を閉じて聴くと冷たい音の余韻が脳内に広がり、しんしんと降り積もる新雪のような寒色系の色味が浮かんでくる。あくまでも熱くならず、思索的に、軽いタッチでーー。ただしヨーロッパのピアノトリオによくある甘さはなく、キリッとビターな辛口である。ピアノトリオ好きなら一聴の価値ある作品だろう。

 ヨーナスは7才で音楽を学び始め、2002年に名門音楽院のシベリウス・アカデミーへ入学し、ジャズ・ピアノを学んだ。2004年にはフィンランドの有名なビッグバンド、UMOジャズ・オーケストラに参加し、ステップアップ。2013年4月には本トリオで初来日公演を行っている。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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