Christoph Siegrist / Welcome To The Blue World
|Posted:2012/10/29 23:52|Category : 2000年代|
Christoph Siegrist (tp)
Mark Turner (ts)
Aruan Ortiz (p, rhodes)
Massimo Biolcati (b)
Richie Barshay (ds, per)
Joshua Kwassman (as)
Rec. May 11-12, 2009, at Samurai Hotel Recording Studios, NY
Engineer: David Stoller (FSNT 389)
マーク・ターナー全面参加、60年代マイルスの世界
鮮やかなアルバム・ジャケットとは対照的に、ダークでくすんだスモーキーな演奏が展開される。まるで60年代マイルス・クインテットの世界だ。ニューヨークで活動するスイス人トランペット奏者、クリストフ・シーグリストの初リーダー作である。
しかしマーク・ターナーにこういうのを吹かせると右に出る者はいない。あるときは妖しく、またあるときはひょうひょうと個性的なプレイが冴え渡っている。楽曲的には、トランペッターのジェレミー・ペルトがやっているようなカラーに近い。
メンバーはマーク・ターナー (ts) が全面参加しているほか、1995年にキューバ音楽シンポジウムでベスト・キューバン・コンポジションを受賞しているアルアン・オルティスがピアノを弾く。またバークリー出身のスウェーデン人ベーシスト、マッシモ・ビオルカティと、ハービー・ハンコック・カルテットでの活動で知られるドラマーのリッチー・バーシェイがリズム隊を組む。
主役のシーグリストは力強く文句なし。反対にピアノのオルティスはアタックが弱く1音1音の粒が立っておらずやや物足りない。ベースのビオルカティは今まで聴いた中ではいちばん自分のキャラに合うプレイをしており、ドラマーのバーシェイは小ワザ満載で引き出しの多さが光っている。
オリジナル6曲とマイルス曲2曲の計8曲。「キリマンジャロの娘」収録のM-4、「Workin’」収録のM-8を取り上げているところを見ると、やはりマイルスに対する想いが強いのだろう。オリジナル曲はどれもビターで緊張感の高いテイストで統一されている。マイルスの、というより60年代のウェイン・ショーターが好みの人ならツボにきそうだ。
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