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Jae Sinnett / Zero to 60

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Jae Sinnett (ds)
Ralph Bowen (ts)
Allen Farnham (p)
Hans Glawischnig (b)

Recorded: September 2015, at Bias Studio, VA
Engineer: Bob Dawson (J-Nett Music 8120)

肉汁したたるレアステーキのようなこってり盤

 ラルフ・ボウエン(ts)が火の玉みたいに吹きまくる。力強くホットな4ビートの饗宴が繰り広げられる。渋さ満開のベテラン・ドラマー、Jae Sinnettが発表したばかりの好盤だ。

 Jaeは1986年にデビュー盤をリリースして以来、本作も含め14枚のリーダー作を発表している。いままで作曲した楽曲は150曲以上。本作は2年ぶりの作品になる。

 メンバーはボウエンに加えアラン・ファーナム(p)、ハンス・グラヴィシュニク(b)と、主役に劣らず渋いところが揃った。その肝心の主役はツボを心得た音数の少ないドラミングで、リーダー作だというのに出しゃばらずチームの骨格になっている。

 1曲を除きすべてJaeオリジナルの計10曲。肉汁がしたたり落ちるレアステーキのような盤である。とにかくこってりドラマチックで熱い、熱い。わかりやすく、だれもが楽しめるこの爽快感と豪快さはすばらしい。

 おまけに楽曲がどいつもこいつもカッコいい。キメのひとつひとつが効いており、テーマもバッチリ決まってる。別段「新しさ」なんてどこにもないが、ふと気がつくと我を忘れてカラダがリズムを取っている。ジャズの、というより音楽の醍醐味ってこれだよなぁ、と忘れていたものを思い出す。

 エネルギッシュでノリノリのジャズが好みの人には絶対おすすめ。汗が飛び散るジャズでなければジャズじゃない、というあなたにはピッタリの1枚だ。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

David Gilmore / Energies of Change

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David Gilmore (g)
Marcus Strickland (ss, as, ts, bcl)
Luis Perdomo (p)
Ben Williams (b)
Antonio Sanchez (ds)
Kofo Wanda (talking ds on 3)

Recorded: December 19-20, 2010, and November 19, 2012
(Evolutionary Music EVMU002)

炎のM-BASE系ギタリスト、自身最高傑作が登場

「俺はM-BASEを通り抜けてきたぜ」ってな作風でひた走る炎の男、デヴィッド・ギルモアが、4枚目のリーダー作を発表した。これはまちがいなくギルモアの最高傑作といっていいだろう。断崖絶壁の上を丸裸で綱渡りするようなスリリングでアグレッシヴな音の奔流に飲み込まれてしまいそう。ああ、快感である。

 メンバーも超豪華だ。主役のギルモアとマーカス・ストリックランド(ts)、ルイス・ペルドモ(p)が、ベン・ウィリアムス(b)、アントニオ・サンチェス(ds)という重量級リズム隊の上に乗っかっている。贅沢な布陣である。

 出番満点の主役を除けば、アルトにテナーにバスクラにと獅子奮迅の活躍を見せるストリックランドがいい。スッと肩の力を抜き、決して力むことなくクールに決めるところがかっこいい。またリーダー作となると構えすぎて崩壊してしまうペルドモも、サイド参加作では相変わらずサラリとプレイしておりまったく素晴らしい。

 ギルモアのオリジナル7曲にウェイン・ショーター曲、ケニー・カークランド曲を合わせた計9曲。要所でM-BASEっぽい変拍子を散りばめ、難度の高いキメの連続でドキドキはらはら聴かせる。

 複雑なキメが乱れ打ちのM-2では、ギルモアがワイルドで奔放なギタープレイをこれでもかと見せつける。M-3でも超難度Aクラスのキメが機関銃のように放たれ、M-4ではリズム隊が生み出すズッシリしたうねりに乗せギルモアがまたも破壊的に暴れ回る。

 このほか浮遊感のあるノリでギルモアがトボけたソロをかますM-5、中盤でブレイクっぽい感じになって以降の緊張感がすごいM-6も耳に残った。いずれ劣らぬ綱渡りぶりで、1枚通して聴き終わるとぐったり心地よい疲労感に包まれる。

 本盤がリリースされたのは正式には2015年11月のようだが、日本語解説つきの国内盤リリースは2016年2月25日の予定。なので強引に「今年の年間ベスト10アルバム」に入れようか? などと早くも年末の心配をさせてくれる傑作である。

ここに音源アリ


*ドラマーのみスタジオ盤と異なり、ルディ・ロイストンがプレイしている。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Klemens Marktl Sextet / December

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Klemens Marktl (ds)
Seamus Blake (ts, ss)
John Ellis (ts, ss, bcl)
Aaron Goldberg (p)
Joe Locke (vib)
Harish Raghavan (b)

Recorded: April 8, 2015, at the Samurai Hotel Recording Studio, NY
Engineer: David Stoller (FSNT 489)

NYの顔役がズラリ、スッキリ辛口の大吟醸をどうぞ

 シェイマス・ブレイク(ts)ら現代ジャズ界のおいしいところがズラリ揃った。役者を得て、幾重にも塗り重ねられた豪華なアレンジに圧倒される。NYジャズ・シーンで敏腕サイドメンとして知られるドラマーのクレメンス・マートルがリリースした最新作だ。コンテンポラリー・ジャズの快作である。

 マートルは1976年オーストリア生まれ。オランダのアムステルダムでジャズ・ドラムを学び、2003年にニューヨークへ移住した。デビュー作は「The Challenge」(2003年)。以後、本作も含め6枚のリーダー作を出している。

 メンバーはシェイマス・ブレイク(ts)にジョン・エリス(ts)、アーロン・ゴールドバーグ(p)、ハリシュ・ラジャン(b)ら、NYの顔役たちが結集した。順番に何枚でもリーダー作が作れそうな面々である。

 全10曲すべてマートルのオリジナル。NYの若手によくあるような屈折したところがまるでなく、作風は堂々の内角高め。スッキリ辛口の大吟醸を思わせる。まるで楽想が耳の穴から湧き上がってくるかのようなアイデアの豊富さだ。

 例えばM-1とM-6では当代きっての豪華2管のスリリングな掛け合いが聴ける。M-6のテーマ部はホーンアレンジもバッチリ決まってかっこいい。「コンテンポラリー・ジャズってどんなふう?」と聞かれたら、黙って本作を差し出せばいい。

 ブレイクやエリスがいいのは当然として、今回はベーシストのハリシュ・ラジャンに改めて驚かされた。デイナ・スティーブンスの「Reminiscent」(2015年、レヴュー記事はこちら)やウォルター・スミス3世の「Still Casual」(2014年、レヴュー記事はこちら)などでも彼のプレイは聴いていたが、リズム感あふれる俊敏なノリと楽曲構成を生かすコレクティヴなプレイぶりがすばらしい。彼ははっきりベン・ストリートの後釜を狙えるだろう。

 マートルといえば、クリス・チークやマット・ペンマンらを従えた2ndリーダー作「Ocean Avenue」(2005年)もよくできていた。本作も重厚な音の厚みがあり、楽器の重ね方や聴き手の求心力を持続させるメロディ作りなど、いかにもコンポジションの才能があるなぁ、という感じがする。人によってはややアレンジ過多と解釈するかもしれないが、そこを「暑苦しい」と感じるかどうかでこの作品に対する評価が決まりそうだ。

ここに音源アリ



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Svein Rikard Mathisen / Copenhagen Diaries

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Svein Rikard Mathisen (g)
William Larsson (p)
Paul Hinz (b)
Andreas Fryland (ds)

Aske Drasbæk (as on M-4, 6, 9)
Maylen Rusti (vo on M-4, 9)

Recorded: June 21-22, 2015, at the Village, dk
Engineer: Bjorn Gjessing (Curling Legs CLPCD150)

ノルウェーの新鋭ギタリスト、鮮烈デビュー

 非常にテクニカルだが、でも楽曲を聴かせたいーー。典型的なコンテンポラリー・ジャズギタリストである。ノルウェーの新鋭、スヴァイン・リカルド・マティセンが2015年10月にリリースしたばかりのデビュー盤だ。

 メンバーはスウェーデンとデンマーク、ノルウェーの混成。ヴィリアム・ラーション(p)にパウル・ヒンス(b)、アンドレーアス・フリューラン(ds)、アスケ・ドラスベク(as)、これにノルウェーの歌姫マイレン・ルスティが2曲でヴォイスを聴かせている。

 当然のように全9曲すべてオリジナル。冒頭からアダム・ロジャース似のテクニカルなギターが畳みかけてくる。なるほどそういう盤なのかと思ったら……M-2以降はにわかに様相が変わってくる。ありゃりや、こりゃギタープレイを聴かせるためのアルバムじゃないぞ。

 その証拠にM-4やM-9ではさりげなく女性のヴォイスが入ってきたり、曲によってはプログレッシヴ・ロックみたいな難度Aの超絶的なキメが続いたり。かなりアレンジに凝っており、明らかにギタープレイというより楽曲を聴かせようとしている。

 特にM-7のバラードなんかはかなりよくできている。なによりメロディが美しいし、曲の構成、アレンジとも凝りまくりで聴き手を決して飽きさせない。

 いやもちろんギターを弾けばバカテクなのだが(特にM-3の弾きまくり)、むしろソロという意味ではピアノがけっこうフィーチャーされている。このウィリアム・ラーソンというピアニスト、かなり斬れてるわぁーーと思って調べたら、あのイェスパー・ボディルセン(b)とかモルテン・ルンド(ds)ともやってる人でした。なるほどそうか。

 てなわけで新世代のジャズはこれだ、的な世界観をぐいぐい提示する1枚。聴き応え充分で、おそらくどんな好みの人にもフィットするだろう。かなりおすすめです。

ここに音源アリ



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Jeremy Pelt / #jiveculture

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Jeremy Pelt (tp)
Danny Grissett (p)
Ron Carter (b)
Billy Drummond (ds)

Recorded: September 9, 2015, at Systems Two Recording Studios, NY
Engineer: Joe Marciano (High Note HCD7285)

ペルトがストレート・アヘッドな世界に帰って来た

 しばらくエレクトリックな世界をさ迷っていた僕らのペルトが、久しぶりにストレート・アヘッドな世界に帰って来たーー。若手No.1トランペッター、ジェレミー・ペルトがリリースしたばかりの最新作である。今回は盟友ダニー・グリセット(p)のほか、巨匠ロン・カーター(b)、ビリー・ドラモンド(ds)を従えた渋いメンバー構成になっている。

 ペルトは2008年にリリースしたアルバム「November」から、ダニー・グリセットら5人のレギュラーメンバーにより60年代マイルス風味のアルバム作りをしていた。で、「Men of Honor」 (2010年)、「The Talented Mr. Pelt」 (2011年)などの傑作を世に送り出していた。

 ところが2012年に発表した「Soul」(レビュー記事はこちら)から雰囲気が微妙にあやしくなり、「これは煮詰まってきたかなぁ?」と思ったら案の定。次作から突然、作風をまるっきり変えてしまった。その「作風」なるものが全然好みじゃなかったのでひたすらスルーし続けてきたが、今回こっちの世界にまた戻ってきたようなので取り上げる。

 ペルトのオリジナル5曲にロン・カーター曲、スタンダード2曲の合計8曲。リリースノートを見るとM-1〜M-4が「パート1」、オリジナル曲のみで構成するM-5〜M-8を「パート2」としている。これはなんだろう?

 さてフタを開けてみると、アルバム前半は50年代を思わせる大らかなメジャー志向の4ビートだ。「ああ、それでロン・カーターを起用したのか」などと思っていたら、後半になると一転して翳りのあるひねったコンテンポラリー・ジャズに変わった。

 つまり前半は「過去への郷愁」、後半は「現代ジャズ最前線」をパックにし、アルバム構成したわけだ。とすれば個人的には、前半より後半のテイストでアルバム1枚を通して欲しかったが……まあ、たまにはこういうのもいいか。

 パート2の最中に挟まったM-7のバラードがまた滅茶カッコいいのなんの。やっぱりペルトはこうでなくっちゃ。ということで次回作も後半の路線でお願いします(また突然、気まぐれに作風を変えそうで怖い)。名匠ジョー・マルシアーノがエンジニア、内藤克彦がミキシング&マスタリングを手がけた音質もすばらしい。おすすめです。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Charles Lloyd & The Marvels / I Long to See You

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Charles Lloyd (ts, fl)
Bill Frisell (g)
Greg Leisz (steel guitar)
Reuben Rogers (b)
Eric Harland (ds)
Willie Nelson (vo & g on M-7)
Norah Jones (vo on M-9)

Recorded: April 27-28, 2015, Santa Barbara Sound Design, CA
Engineer: Dom Camardella (Blue Note 4765257)

ノラ・ジョーンズまで動員した必死すぎる迷盤

 煮詰まったロイドがビル・フリーゼルの魔力にすがろうとしたが見事に失敗。1曲だけゲスト出演したウイリー・ネルソンの歌がいちばんいい、というなんとも皮肉な盤だ。チャールス・ロイドが発表したばかりの新作である。

 メンバーはいつものルーベン・ロジャース(b)、エリック・ハーランド(ds)のリズム隊に加え、あまたの参加作で鮮やかなマジックをふるってきた魔術師ビル・フリーゼル(g)。ウイリー・ネルソンとノラ・ジョーンズが1曲づつゲストで歌っている。

 アルバムはボブ・ディランの「Master's of War」で幕があく。ウイリー・ネルソンは反戦歌「Last Night I Had the Strangest Dream」を熱唱し、1974年にジョー・コッカーがヒットさせた「You Are So Beautiful」をノラ・ジョーンズがしっとり歌う。

 ほかにロイドが1966年にリリースしたアルバム「Dream Weaver」に入っていた「Sombrero Sam」を取り上げたほか、トラッドの「La Llorona」や「Shenandoah」、「All My Trials」、「Abide With Me」を収録している。

 あちこちから曲と人を寄せ集め、ノラまでフィーチャーしてあのテこのテの必死すぎる七転八倒ぶりだが、残念ながらすべてが空振りに終わっている。こんな退屈な盤はひさしぶりだ。本物のカントリーを聴いていたほうがよほどいい。

 フリーゼルが客演した作品は傑作が多いのでアテにしたのだが、キッチリはずれてしまった。部分的に試聴したときには「いい」と思ったが、どうもフリーゼルの破片が耳に入ってごまかされたようだ(彼の妖艶なギターの響きだけがひたすらいい)。やれやれ。


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Avishai Cohen / Into The Silence

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Avishai Cohen (tp)
Bill Mchenry (ts)
Yonathan Avishai (p)
Eric Revis (b)
Nasheet Waits (ds)

Recorded: July 2015, at Studio La Buissonne, France
Engineer: Gerard de Haro (ECM 2482)

静まり返った街に朝もやが漂う

 トリオで暴れまくった「Triveni」三部作を経て、あの乱暴者のアヴィシャイをECMがこう変えたーー。しんと静まり返った朝の街に、ゆったり漂う朝もやを音にしたような盤。叙情的で、どこまでも粛然とした地平が広がる。トランペット奏者、アヴィシャイ・コーエンがリリースしたばかりのECM初リーダー作である。

 メンバーはまずイスラエル人ピアニストのヨナタン・アヴィシャイ。彼はこれまでアヴィシャイとさまざまな形で共演してきている。ドラマーのナシート・ウェイツも同じだ。そのほかビル・マクヘンリー(ts)とエリック・レヴィス(b)が加わっている。

 すべてアヴィシャイによるオリジナルで合計6曲。このアルバムは彼の父デヴィッドとの思い出に捧げられており、父の最期の日々を描いている。 ちょうどアヴィシャイが参加したマーク・ターナーの「Lathe of Heaven」(2014年、レヴュー記事はこちら)から、激しさや刺激成分を抜いたようなテイストだ。アブストラクトなところはかなり共通項がある。

 一曲が長く複雑な構成を取っており、各人のインプロヴィゼーションがふんだんに盛り込まれている。とはいえきっちりアレンジした部分もあり、フリーのように出たとこ勝負の音ではない。

 ある面では環境音楽のようでもあるし、またある面ではミニマリズムの影響を受けているような感じもある。仕事で疲れているときに、かけっぱなしにして何も考えずボーッとしていれば気持ちよくなれそうな音だ。

 ただしこういうジャズをやるなら、なぜナシート・ウェイツを起用したのだろう。彼は荒削りな激しさを叩かせてこそ生きるドラマーのような気がするが。ただそれをいうならなぜエリック・レヴィスを使うんだ? って話になるか。

 いやぁ、ECMだからやっぱりこういう静けさ系になるんだろうけど、このメンツを見てもっと骨のある音を予想していた。でもタイトルが「Into The Silence」なんだから読んで字のごとしか。いやはや、参りました。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Michael Rosen / Sweet 17

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Michael Rosen (ts)
Lage Lund (g)
Ralph Alessi (tp)
Domenico Sanna (p)
Matt Penman (b)
Bill Stewart (ds)

Recorded: November 21-23, 2014, at Sear Sound, NY
Engineer: Christopher Allen (Via Veneto Jazz VVJ104)

ラーゲ・ルンドが冴え渡る都会派コンテンポラリー

 都会的でしゃれたテイストのコンポジションだ。ラーゲ・ルンド(g)が冴え渡り、ドメニコ・サンナ(p)も痺れるピアニズムを見せつける。アメリカ人サックス奏者マイケル・ローゼンがリリースしたばかりの新作は、NYの豪華メンバーをずらり揃えた快作だ。

 メンバーは冒頭の3人に加え、ラルフ・アレッシ(tp)にマット・ペンマン(b)、ビル・スチュワート(ds)とくればメンツ買いは確定。コンテンポラリー好きなら放っておかない。

 主役のローゼンは11歳でサックスを始め、バークリー音楽院でジョージ・ガゾーンらに師事した。現在はイタリアへ移住し、30年以上もローマとロンドンを行き来しながら9枚のリーダー作を発表している。今回は久しぶりにNYへ戻っての録音だ。

 それにしてもラーゲ・ルンドのプレイにはうっとりさせられる。まさに一撃必殺。圧倒的な存在感だ。ローゼンが書き下ろしたオリジナル楽曲にぴったりハマったスタイリッシュなギターを弾いている。

 一方、イタリア人ピアニストのドメニコ・サンナは新進気鋭の若手である。リリカルなフレーズ感と間の取り方がすばらしく、2014年にリリースしたリーダー作「Brooklyn Beat!」ではニュータイプのピアノトリオを訴求しており新鮮だった。

 さて本盤は1曲を除き、すべてローゼンのオリジナルで合計10曲だ。どの曲も洗練されたセンスが漂い、アルバム1枚を通し飽きさせない。主役のローゼンは自分だけが吹きまくるわけでもなければ、突出した個性やテクニックがあるわけでもない。「俺が俺が」と前に出るタイプじゃない。むしろその反対だ。

 彼は豪華なメンツをうまくコーディネートし、アルバム全体をプロデュースする仕掛け人役に徹している。いわばそんな彼の裏方仕事がこの良盤を生んだといえる。聴き手にとっては、アルバム自体がよければサックス奏者の個人技うんぬんなんて大した問題じゃない。

 ただここまで黒子に徹してるんだから、ジャケ写には写らないほうがよかったかなぁ。この主役の太った巨体を見て3割くらいの人が買うのをやめるんじゃないか? などとよけいな心配をしてしまった(実際、私はジャケ写を見てかなりためらった)。

 だけど内容はあくまで流麗でかっこいい現代ジャズだ。コンテンポラリー好きで、このメンツにピンときた人にはおすすめである。

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

プロフィール

松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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