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Tony Moreno / Trio Music

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Tony Moreno (ds)
Bill Gerhardt (p)
Mike Holstein (b)

Rec. Jun & July, 2006, at Bond Street Studio, NY
Engineer: Tom Hamilton (Art of Life Records AL1028-2)

聴き手を絶対にリラックスさせない硬派なピアノトリオ

 大仰な美メロをいっさい使わない硬派のピアノトリオである。どこまで行ってもあきれるぐらいキャッチーなメロディが出てこない。世のピアノトリオが売りにしたがる甘く美しい旋律を徹底的に排除している。ピリリと辛い山葵なジャズ。ニューヨークで活動する個性派ドラマー、トニー・モレノの初リーダー作だ。

 真冬の渓流のように冷たい無機的なテイストだが、決して味気ない音ではない。ピンと張り詰めた緊張感があり、テンションの高い演奏だ。聴き手を絶対にリラックスさせないような、緩みのないアンサンブルが最終曲まで続く。

 主役を張るピアニストは、Bill Gerhardtである。1962年ミズーリ州生まれ。89年にアムステルダムへ移り、ヨーロッパのほかアジア・アフリカでも活動した。99年からはニューヨークへ拠点を移し、テナー奏者のマーク・モマースや本作のベーシストMike Holsteinらとともに、自身のカルテット 「Cotangent」 を率いてリーダー作を発表している。

 本盤はモレノ自身のオリジナル5曲のほか、メンバーのGerhardtが3曲、Holsteinが2曲の合計10曲を持ち寄った。全編インプロヴィゼーションのように聴こえるが、よく観察するとリズム隊の演奏がピアノの細かな抑揚にぴったり合っている。実は緻密にアレンジしているのでは? とも思わせる。

 ピアノの跳ね上がりや沈み込みにドラムとベースがスキ間なく寄り添い、3者がスリリングなアップダウンを繰り返す。どこまでが譜面で、どこからがインプロなのかまるでわからない。アドリヴでこの演奏をしているならすごい。

 トニー・モレノはフロアタムを多用し、ドコドコドコッという高速連打系のオカズをよく使う。重くゆったりタメを利かせて、みたいなタイプとは対照的だ。せわしなくリズミカルな演奏をする。ズン、ズンと横に揺れるのでなく、落ち着きなくぴょぴょんタテに跳ねるような独特のグルーヴを持っている。

 特に好きなタイプではないが、この個性はとにかく強烈だ。なんせ彼と似たタイプのドラマーなんて、まったく思いつかないのだから。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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