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George Garzone & Jacek Kochan Trio / Filing The Profile

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George Garzone (ts)
Jacek Kochan (ds)
Dominik Wania (p)
Andrzej Swies (b)

Rec. Jnne 6, 2008, at Studio Radio Gdansk, Poland
Engineer: Jacek Puchalski (Intchr 71304)

重く疾走するリズムセクションにガゾーンが咆哮する

 かっこいいテーマに乗ったスピード感のある現代ジャズだ。ダークなメロディと重みのある疾走感がガツンと脳天を直撃する。テナー奏者ジョージ・ガゾーンと、ドラマーのJacek Kochan率いるポーランド人トリオが放つワンホーン・カルテットの快作である。

 リズムセクションの好サポートを得て、御大ガゾーンがフルスロットルで吠えまくる。絶叫するように力強くブロウするその様はまるで鬼神のようだ。彼は60年間蓄積した人生の薀蓄を本作で出し切ったと言えるだろう。それくらいの快演だ。

 かたやポーランド人トリオに目を移せば、ピアノのDominik Waniaが群を抜いている。いかにも東欧的な翳りと愁いのあるフレージングがすばらしい。緊張感ビンビンのプレイスタンスやグルーヴ感にも痺れる。彼の演奏がもっと聴きたくなり作品を探したが、リーダー作はちょっとひねりすぎでピンとこなかった。もっとストレートに真っ向勝負してほしい逸材だ。

 一方、Jacek Kochanはかなり重いドラムを叩く。ほとんど「重たい」へ行ってしまう寸前でかろうじて食い止まっているかのようなノリだ。個性的でいいドラマーだが、あえて辛めに採点すればどの曲でも同じように重いスタイルなのでやや一本調子になりがちかも。相方のベーシスト、Andrzej Swiesは彼より軽やかによく弾み、気持ちよく躍動するいいベースだ。

 全8曲すべてドラマーのKochanによるオリジナル。プロデュースも彼が務めた。通して聴くと似たような楽曲が並んでおり変化には乏しいが、そのぶんアルバムとしての統一感はある。どの曲もスタイリッシュで粒ぞろいだ。ただし曲調が東欧ならではの重苦しさと裏腹なので人によっては少し聴き疲れするかもしれない。

 本作はぱっと見では颯爽とした「アメリカ人の音楽」のように聴こえるが、根っ子には東ヨーロッパ的な歴史を背負った沈鬱さがある。アメリカ人みたいに能天気なハジけ方じゃない。陰にこもった部分をどこかに抱えて心の底から笑えない――そんな東欧的なメンタリティが透けて見える。音楽とは、人のお国柄をはっきり映し出すリトマス試験紙みたいなものである。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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