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Gary Versace / Outside In

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Gary Versace (org)
Donny McCaslin (ts, ss)
Adam Rogers (g)
Clarence Penn (ds)

Rec. April 11, 2007, at Systems Two Recording Studios, NY
Engineer: Max Bolleman (Criss Cross 1298)

世紀末っぽい陰鬱な現代オルガンジャズ

 この盤はディスクユニオンにずっと中古があったので気になっていたのだが、試聴してみたら暗い印象だったのでなんとなく手が伸びなかった。今や売れっ子のオルガン奏者、ゲイリー・ヴァセイシが2008年にCriss Crossデビューを飾った最新リーダー作である。

 さわりだけ聴いてわかる通り、旧来の熱血コテコテ系オルガン・ジャズとは対極にある現代的な演奏だ。クールでダークで重苦しい。まあヴァセイシは変人アルト奏者のローレン・スティルマンとプロジェクトを組んでいるくらいだから推して知るべしだが。

 彼は1968年4月、コネチカット生まれ。2002年にニューヨークへ進出した。デビュー作は「Winter Sonata」 (2004)だ。以後、Steeple Chaseレーベルから「Time and Again」 (2005)、「Many Places」 (2006)、「Reminiscence」 (2007)の3枚をリリースしている。

 さて本作のメンバーはご覧の通り、えらく豪華だ。サックスにドニー・マッカスリン、ギターはアダム・ロジャース、ドラムはクラレンス・ペンという人気者ばかり。クレジットを見ただけで思わず買ってしまいそうな企画である。

 全8曲、ヴァセイシによるオリジナル。アルバムを通し、いかにも世紀末っぽい陰鬱なムードが匂う。この暗さにハマれるかどうかで作品の評価が分かれるだろう。モーダルでいま風の漂うようなノリがまさにNYコンテンポラリー真っ只中、という感じだ。

 その背骨になっているのは、厭世観を漂わせるヴァセイシのコンポジションとオルガンである。M-3のようにブルースっぽい明るい曲もあるが、やはり圧倒的にネガティヴ系のダークなトーンが全体を支配している。

 個人的にはお気に入りのロジャースとペンが心なしか控えめな演奏なのがやや物足りないが、さすがはロジャース。決めるところはバッチリ決めてくれる。M-4のソロの導入部あたりはかなりゾクゾクきた。ペンもアルバム途中から尻上りに熱を帯びて行く感じだ。

 久しぶりにこのテの屈折系ジャズを聴いたが、しっくりくるまで少し時間がかかった。「どう作れば売れるのか?」などとセールスを考えず、こういうわかる人にしかわからない作品を掲げてやっていこうというのだから、ヴァセイシはある意味すごい。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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