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Brad Shepik / Human Activity Suite

Brad_Shepik_Human_Activity_Suite

Brad Shepik (el-g, ac-g, tambura, el-saz)
Ralph Alessi (tp)
Gary Versace (p, org, accordion)
Drew Gress (b)
Tom Rainey (ds)

Rec. June 14-15, 2008, at Brooklyn Recordings, NY
Engineer: Andy Taub (Songlines Recordings SGL SA1576-2)

ワールドミュージック的な草食系ギタリスト

 ブラッド・シェピックはワールドミュージック的なセンスをもち、中近東やバルカン風の音を多用するギタリストだ。「俺が俺が」じゃない草食系のギターを弾く。その特徴がよく表れているのが、2009年にリリースしたこのアルバムだ。

 南アメリカ、アフリカなど地球の各大陸をテーマにした楽曲で構成し、ギタリストとしてだけでなくコンポーザーとしての能力も見せる。ギターのインプロを聴くためのアルバムというより、トータルコンセプトで見せる作品だ。

 シェピックは1997年にデビュー盤「The Loan」を発表し、以来、2011年の最新作「Across The Way」まで7枚のリーダー作をリリースしている。

 ワシントン生まれで、1990年にニューヨークへ進出。2年後にポール・モチアンのアルバム「Paul Motian And The Electric Bebop Band」のレコーディングに参加した(クレジットはBrad Schoeppach)。このバンドはカート・ローゼンウィンケルとのツインギター編成で、あのジュシュア・レッドマンも在籍していた。

 続く96年には同じモチアンバンドでアルバム「Flight Of The Blue Jay」を録音する。参加メンバーにはローゼンウィンケルのほか、クリス・ポッターやクリス・チーク、スティーブ・スワロウらが名を連ねた。このほかシェピックはチャーリー・ヘイデンやジョーイ・バロン、カーラ・ブレイ、デイヴ・ダグラスなどとも共演歴がある。

民族音楽のエッセンスが織り成す万華鏡の世界

 本作は全10曲すべてがシェピックの手によるものだ。彼はギターだけでなくタンブーラ(インドの弦楽器)やエレクトリック・サズ(トルコの弦楽器)も駆使し、民族音楽的なエッセンスが織り成す万華鏡のような世界を構築している。

 オルガン奏者のゲイリー・ヴァセイシも、ピアノやアコーディオンをフルに使って辺境音楽的な雰囲気を演出する。特にアコーディオンが効いたM-1、M-6は秀逸だ。トランペットのラルフ・アレッシはもともと自身の世界に近いせいか違和感なく溶け込んでいるし、ベーシストのドリュー・グレスもマルチな才能ぶりを発揮している。

 シェピックは曲によってはエレクトリック・ギターの音をけっこう歪ませ、まるで70年代のロバート・フリップみたいな音色で弾いている。ただギタリストとしてのシェピックを堪能したいなら、綿密に作り込まれた楽曲とアレンジで聴かせる本盤より、最新リーダー作の「Across The Way」の方がストレートでいいかもしれない。

 また最近の彼の参加作としては、ヨッケン・リュッカートの「Somewhere Meeting Nobody」(2011年、レヴュー記事はこちら)でも、異端な変人ぶりがよく出た個性的なギターを聴かせている。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

こんにちは

ブラッドはポール・モチアンのバンドにも在籍していたんですね。
あのちょっと浮遊感漂う感じはポールの影響もあるのでしょうね。

モチアン・バンドがデビュー作かな

HamaVenturiniさん、こんにちは。

ブラッド・シェピック本人のサイトを見ても、アルバム「Paul Motian And The Electric Bebop Band」以前のレコーディング歴が書かれてないので、モチアン・バンドが実質的なデビュー作なんだと思います。彼は1990年にニューヨークへ出て、92年に録音した上記アルバムが本格的な初仕事なのでしょう。

本題の当アルバムは音もよく、気に入りました。弾きまくるギターを聴きたい人は最新リーダー作の「Across The Way」の方が向くと思いますが、本作は本作で作り込まれたよさがあってよかったです。

No title

Grass_hopperさん こんばんは

Shepikに出会ったのは、VersaceのOrgan目当てに
買った"Places You Go"でしたが、確かに仰るように
弾きまくるタイプではなく、グループ全体に神経が行き届き
トータルな音楽を重視しているといったものを感じます。
派手な立ち回りはしませんが、知的個性派として
なかなか魅力を感じてます。

アルバム違いますが、近作としてVersace,Raineyも同様に
参加の参考作として上記のTBさせていただきました。
今度はちゃんと機能したようで、めでたしめでたしです。

おっしゃる通り、知性派ですね。

J worksさん、こんばんは。おっしゃる通り、シェピックは知性派ですね。
各リーダーアルバムがそれぞれ一定のコンセプトをもち、
その法則に基づいてきっちり作られている感じがします。

>Shepikに出会ったのは、VersaceのOrgan目当てに買った"Places You Go"でしたが、

ベルサーチェは本作でも、アコーディオンとピアノの曲がかなり印象に残りました。
実はクリスクロスから出てる彼のリーダー作を買おうと思いながら、
そのままになってるのを今回思い出しました(^^;

貴ブログの"Places You Go"レヴュー記事、拝読しておりました。TBありがとうございます。
確かにベルサーチェのオルガンは非ファンキー系で温度感が低く、珍しいタイプですね。
あえて探せば、ラリー・ゴールディングスがリーダー作でちょっとそういう演奏をしますね。
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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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