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Antonio Sanchez / Migration

1

Chris Potter (ts, ss)
David Sanchez (ts)
Scott Colley (b)
Antonio Sanchez (ds)

Pat Metheny (g on 3, 8)
Chick Corea (p on 1)

Rec. January 10-11, 2007, NY, Track ♯1: January 21, 2007, FL
Engineer: Joe Ferla, Track ♯1: Bernie Kirsh (Cam Jazz CAMJ7804-2)

豪華メンバーが勢揃い、現代最高度を誇るテクニックの見本市

 名うての腕自慢たちが次々にワザを繰り出し、それら個々人の技術の総和が自動的に作品全体のクオリティになっている、というタイプの音楽。インプロヴィゼーションで聴かせるジャズだ。パット・メセニーと縁が深いドラマー、アントニオ・サンチェスのリーダー作である。

 メンバーは豪華だ。クリス・ポッター(ts, ss)にデヴィッド・サンチェス(ts)、スコット・コリー(b)。それだけでなくパット・メセニーとチック・コリアまでゲスト参加している。オリジナル4曲に加えメセニーとコリアが1曲づつ持ち寄り、ジョー・ヘンダーソン「Inner Urge」、マイルス・デイヴィス「Solar」を加えた全8曲だ。

 まずラテンっぽいM-1頭のピアノで「おおっ」と耳をひかれる。コリアは一撃であたりの空気を自分のものにしてしまう。全員がスリリングにテクを披露するブルースっぽいM-2も息詰る。やさしいメロディのM-3でちょっとひと休み。サンバ調の壮絶なM-4でまたネジが巻かれ、M-7「Inner Urge」では冒頭からいきなりドラムソロの嵐。M-8「Solar」では今度はメセニーが暴れまくる。もう圧巻だ。

 ただしこういうテクニック志向の作品では、ややもすると楽曲の存在感がお留守になる。アルバムを聴き終え、「さて、どんな作品だったっけ?」と振り返ろうとしても曲が思い浮かばない。

 ふつうなら「○曲目のメロディーがよかった」とか「○曲目の浮遊感が面白かった」などとアルバムの「色」が印象に残るはすだが、本作には色がない。私がよく聴くジャズは楽曲が「主」、個人技は「従」なものが多いから余計そう感じるのかもしれないが、いずれにしろ本作は楽曲よりメンバー個々が放つ技術のインパクトが強い。

 しかしそんな中、M-3の歌心あふれるギターソロになると途端に耳が凍りつく。さすがはパット・メセニー。こんなふうにパッと1曲弾き、百発百中で必ず人の耳に残るメロディを弾けるというのはすごい。やはりメセニーは天才的だ。

 てなわけで終わってみればM-3のメセニーのギターがいちばん印象に残った作品だった。「技術のせめぎ合いをこそ聴きたいんだ」という人には、現代最高度のテクニックが詰まった本作は聴きごたえがあるだろう。だが私にとっては「ほう、すごくうまいね」といった感じである。

※なお国内盤では8曲目に、チック・コリア作のボーナストラックが加わっている。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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