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Alex Sipiagin / Live at Smalls

1

Alex Sipiagin (tp)
Seamus Blake (ts)
Divid Kikoski (p)
Boris Kozlov (b)
Nate Smith (ds)

Rec. June 25-26, 2012, at Smalls Jazz Club, NY
Engineer: Tyler McDiarmid (Off Minor OFM-039)

シンプルにぐいぐい押しまくるライヴの醍醐味

 最新スタジオ盤 「Overlooking Moments」 (2013年、レヴュー記事はこちら) では、ピンと張りつめた緊張感でヒリヒリするナーバスなジャズをやっていたアレックス・シピアギン。だが出たばかりの本盤では打って変わって熱くエキサイティングなライヴを聴かせている。同じ Smalls Live から同時リリースされたウィル・ヴィンソンのクールなライヴと好対照だ。

 メンバーは主役のシピアギン (tp) にシェイマス・ブレイク (ts) の2管+デヴィッド・キコスキー (p)。リズム隊はボリス・コズロフ (b) とネイト・スミス (ds) だ。

 全5曲、すべてオリジナル。のっけからラテン調のフュージョンぽいカッ飛んだ曲で幕が開く。M-2もラテン系でめっぽうノリがいい。ぐいぐい力で押しまくるステージ構成である。

 個々のメンバーを見ると、まずキコスキーがバッキングに、ソロにと、八面六臂の活躍を見せている。地味な印象のある彼だが本作では非常にいい演奏をしており、完全に認識を改めた。またクールなイメージのシェイマス・ブレイクもここではけっこう熱い演奏を繰り広げている。

 一方、ドラマーのスミスは黒人ドラマーの典型で、ズンズン押しまくる攻撃的なタイプだ。彼がバンド全体のイニシアチブを握り、流れの中でノリを決めている。山場でスミスがドカドカ行けば全員がいっせいに反応し、彼がぐっと抑えるとバンド全体がひたひたと静かに沈み込んで行く。ベースのコズロフとのコンビネーションもよく、非常に躍動感のあるリズム隊である。

 本作はだれもが親しみやすく楽しめる、聴き手を選ばない構成だ。だがそのぶん前作のようなユニークな強い個性は感じられず、この作品がシピアギンである必然性はうすい。ノリはいいけれどひねりがなくストレートで単調だ。前作で見せた醒め切っていながら異様に緊張感の高いスリリングな世界はシピアギンにしか構築できないだけに、あれをライヴでどう見せるか? もぜひ聴いてみたかった。

 この演奏を生で聴いた観客は確かに乗ると思うが、CDになった盤を自宅で冷静に聴いてしまうと単調さが耳につく。とはいえストレートにぐいぐい押して目の前のお客さんを楽しませるためのライヴなんだから、「これはこれ」 だろうか。悪く言えば、よくある凡百の楽しいライヴである。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

No title

アレックス・シピアギンもミンガスバンドで見ました(聞きました)
すごくワイルドで聴きごたえのある演奏でした。
デヴィッド・キコスキーは来なかったのですが、その場で買ったCDには参加していました。
3D的な立体感のある音に圧倒された夜でした。

登龍門

ミンガスバンドやモチアンのエレクトリック・ビ・バップ・バンドは、
若き俊英の登龍門になっていますね。

シピアギンは前作がかなり衝撃的でした。
キコスキーについては、どうも印象がうすかったのですが、
本盤で完全に見直しました。今までけっこう聴いてたはずなんですが…(^^;
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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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