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Linda Oh / Sun Pictures

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Ben Wendel (ts)
James Muller (g)
Linda Oh (b)
Ted Poor (ds)

Rec. November 12, 2012, at WKCR, Columbia University, NY
Engineer: Desmond White, Sam Engle, Rachel Cantrell, Leena Mahan, Dylan Kario and Kevin Crowley (Green Leaf GRECD1032)

テッド・プア参加、えぐり取るように先鋭的な夢魔の音

 ミニスカはいたセクシーな女の子に吹けもしないサックスを持たせ、プロ・デビューさせたりしてるのを見るとまったくゲンナリする。女性であることを売り物にする、悪しき商業主義の典型だ。

 だがこのリンダ・オーはまったくちがう。もう初めて聴いた瞬間から、その作曲能力と演奏力にカンペキ脳天カチ割られている。本盤はそんな彼女がリリースしたばかりの最新サード・アルバムである。

 リンダはマレーシア出身でニューヨーク在住の女性ベーシスト。2010年にアンブローズ・アーキンムシーレ(tp)、オベド・カルヴェール(ds)とのトリオ作 「Entry」 で鮮烈デビューし、2012年には2作目の 「Initial Here」 をリリースしている。

 本盤にはピリピリした緊張感とクールな寂寥感がぎっしり詰まっている。いい意味で無機的だが、味気ない音ではない。衣の下に鎧を隠しながら、淡々と無表情を装うような演奏だ。いかにもNYコンテンポラリー、2013年現在のジャズという感じである。

 メンバーは4人だが、不思議に音のない空間が際立つ。その何もない空間が彼らにきわめてシリアスな印象を与えている。ハガネのように硬質でシャープ、えぐり取るように先鋭的。だが自分たちだけが気持ちいいマスターベーションに終わらず、きわどいところで商業作品として成立している。そんな尖った妖気にドキドキさせられる。

 カギを握るのはズバリ、ギターの響きだ。オーストラリア出身のギタリスト、ジェームス・ミューラー (1974年生まれ) が爪弾くコードの余韻がスーッと尾を引き、あたりの空気をまったく異質なものに変えている (特にM-1のゾクゾクするような導入部を聴いてほしい)。

 本作は 「アヴァンギャルド」 というところまでは逆立ちしていないが、明らかに 「ポップ」 とは対極にある。そんな正気と狂気の境い目を綱渡りしているような危うさがスリリングだ。

 熱く躍動する古風なジャズが好みの人にはおすすめしないが、ひんやりした温度感と張りつめたテンションに痺れたい人にはもろ鉄板です、ハイ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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