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Misja Fitzgerald Michel / Encounter

Misja_Fitzgerald_Michel_Encounter.jpg

Misja Fitzgerald Michel (g)
Drew Gress (b)
Jochen Rueckert (ds)
Ravi Coltrane (ts on 1, 9)

Rec. February 24-25, 2005, at Context Studio, NY
Engineer: Bobo Fini (Sunnyside SSC3040)

渾身の4ビートが炸裂するハードボイルドな男ジャズ

 こんなまっすぐな4ビートはひさしぶりに聴いた。エネルギッシュで熱くてダーク、超おすすめのハードボイルドな男のジャズだ。フランス人ギタリスト、ミシャ・フィッツジェラルド・ミシェルの4枚目のリーダー作である。ドリュー・グレス (b)、ヨッケン・リュッカート (ds)のリズム隊に、2曲でラヴィ・コルトレーン (ts)を加えた魅惑のキャストだ。

 ミシェルは巨匠ジム・ホールの弟子で、音色やタッチはなるほどジム・ホール~パット・メセニー直系を思わせる。メセニーをちょっと男っぽくしたようなギターを弾く。スタイルは現代風だが、マインド的には1950~60年代の熱かったジャズの息吹がする。4ビートを基調にしたどストレートと変化球で押しまくり、荒々しく暴力的に猛り狂うようなパッションを感じさせる。今どきのクールに澄ましたコンテンポラリー系ジャズとはまるで対照的だ。

 彼はスコット・コリー (b) らと1998年にレコーディングした「Live at la Villa」でデビューした。続く2002年にはラヴィ・コルトレーン (ts)、ドリュー・グレス (b)、ナシート・ウェイツ (ds)を擁し、セカンド・リーダー作「On The Edge」を録音。2004年にはドリュー・グレス(b)とのデュオにより、サードアルバム「Expectations」を発表している。最新作は2002年リリースの5枚目「Time of No reply」だ。

 1973年オランダ生まれ。サックス奏者、Francois Jeanneauの指導の下、フランス国立高等音楽院(CNSM)でジャズを学んだ。のちフランス文化省からラヴォアジエ奨学金を授与され、ニューヨークのNew Schoolでジム・ホール、ジョン・アバークロンビーらに師事している。

脳天カラタケ割りな圧巻の疾走感

 本作はオリジナル5曲のほか、6曲の強力な援軍を動員した。オーネット・コールマンの「Chopin」と「Lonely Woman」、ジョン・コルトレーンの「Countdown」、「Central Park West」のほか、ビル・スチュワート「Think Before You Think」、ウェイン・ショーター「Umbo」の合計11曲だ。

 アルバム初っばなから、いきなり脳天カラタケ割りのかっこいい4ビートがくる。コールマンの「Chopin」だ。冒頭でテナーとギター、ベースがユニゾンで妖しいテーマをぶっ放したかと思えば、ドラムスの合図で全員がいっせいに走り出す。疾走感のあるすばらしい演奏だ。冷静なヨッケン・リュッカートにしては派手なプッシュに煽り煽られ、この1曲でリスナーはもう「どうにでもしてちょうだい」状態になる。

 一方、M-3のオリジナル曲は、パット・メセニーの名盤「Question And Answer」 (1990)を思わせる。ギターとベースがユニゾンで弾くフレーズが刺激的だ。曲の中盤でソロを繰り出すドリュー・グレスのなんとまあ凶暴でハジけてること。ほかにテナーとギターがツインでソロを競うM-9、ウェイン・ショータ作品らしくとぼけた味のM-10、涼やかで美しいバラードのM-11も聴き物だ。

 ギターがとにかくホットなのは冒頭に書いた通りだが、グレスとリュッカートの躍動するエネルギー感がアルバムの熱気に火をつけている。このところ繰り返し聴いて初めてよさがわかるクール系のジャズばかりだったので、一聴してぶっ飛ぶ経験をしたのはひさしぶりだ。このアルバムを聴いて「つまらない」という人がいたらぜひお目にかかりたい。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

こちらからもTBさせていただきます

ジム・ホール~パット・メセニーの流れを汲むコンテンポラリーなギタリストながらも4ビートで勝負しているのには非常に好感が持てるし、既成曲の選曲のセンスもなかなか良かったです。
リズム隊のグレス、リュッカートとの相性もバッチリで、そのホットな演奏は聴き応えも充分でしたが、これだけ弾ける人なのですから、スコット・コリー&アントニオ・サンチェス、あるいはルーベン・ロジャース&エリック・ハーランドあたりの組み合わせでもぜひ聴いてみたいです。
その前にまずいろんなセッションに参加して、覚えにくい名前を売ることが先決かもしれませんけどね(笑)。

ロジャース&ハーランドで聴きたいですね!

野獣トリオ結成、ってことで(笑)
あ、ついでにケンドリック・スコット&ヴィセンテ・アーチャーのセットも
ぜひ入れておいてください。

こんばんは。TB、ありがとうございます。

「こんなマイナーなアルバム、まだ誰もレヴュー書いてないだろう」
「1番乗りだ」と思ってニヤニヤしながら検索してみたら……。
なんとnaryさんに「3年」も先を越されてる、とわかって愕然としました(笑)

いや冗談はともかく4ビートはやっぱりいいですねー。
しばらくこういう熱いのは聴いてなかったので、すっかり体が温まりました。

>覚えにくい名前を売ることが先決かも

御意、です(笑)
芸名は単に「ミシェル」で行きましょう。
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