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Nate Radley / Carillon

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Nate Radley (g)
Chris Cheek (ts)
Matt Clohesy (b)
Ted Poor (ds)

Recorded: January 2012
Mixing & Produced: Nils Winther (SteepleChase SCCD31758)

オンリー・ワンの個性で聴かせる七色ギター

 M-1のギターとペースのリズミックなコンビネーションを聴いただけで、既成のありふれたジャズではないことがすぐわかる。ローレン・スティルマン&バッド・タッチのメンバーでもあるギタリスト、ネイト・ラドリーがリリースした最新セカンド・リーダー作だ。

 アクロバチックな技巧派か? といえばまるで対極にある。むしろぎこちなく屈折した「味」で聴かせる個性派だ。ともすれば調子っぱずれなヘタうまに見えるオンリー・ワンのプレイスタイルが、好きな人にはたまらない。本作にはそんな彼の特異なキャラクターがみっちり詰まっている。

 サポートするメンバーはクリス・チーク(ts)にマット・クローシー(b)、テッド・プア(ds)とおいしいところが揃った。ニューヨークの「いま」が聴ける魅力の布陣である。

 先鋭的だった前作「The Big Eyes」(2011年、レヴュー記事はこちら)とくらべ、ナチュラルなトーンで楽曲も聴きやすい。オリジナル6曲のほかモンクの「Hornin'in」、スタンダードの「All through the Night」を取り上げていることからも、前作より 「やわらかく」 しようという意図が感じられる。狙いは成功だ。

 ただしそこはやはり先端派のネイト・ラドリー。オーソドックスな王道志向では決してない。既成曲もただやるのでなく、例えばモンク曲のイントロには現代的なかっこいいコードプレイを仕込んである。

 彼のギターの根底にはいつも「楽曲」がある。単にギターソロを聴かせるのでなく、常に楽曲構成をイメージした演奏をしている。またチークがソロを取っている時の彼のコードワークを聴くと、この人はバッキング時に最大限自分のよさを出すタイプなのだとわかる。

 例えばM-4はギターのみの独奏曲だ。こういうのは往々にしてテクニックを見せつけるだけの独りよがりなマスターベーションで、退屈なものと相場は決まっている。だがこの人の場合、バッキング仕事で培った巧みな音使いでリスナーを飽きさせない。むずかしいことは何もやっていないが、七色のフレージングと独特のセンスについ引き込まれてしまう。

 ニューヨークにはこんな個性のかたまりみたいなプレーヤーがひしめき合っているのだから、まったく恐ろしい。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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