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Jason Palmer / Places

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Jason Palmer (tp)
Mark Turner (ts)
Godwin Louis (as)
Mike Moreno (g)
Edward Perez (b)
Kendrick Scott (ds)

Recorded: January 2013
Engineer: Tom Tedesco (SteepleChase SCCD31780)

ゆらゆら漂う不思議系ジャズで元気になる

 脱力し、ゆらゆら漂う不思議系ジャズだ。滑稽で軽やかなフレーズを連発して三枚目路線をひた走るトランペット奏者、ジェイソン・パーマーの5枚目に当たる最新リーダー作である。

 きっと陽気でユーモアのセンスのある人なのだろう。おどけたような音使いで、笑いながらリスナーに語りかけてくる。「やあ、どうだい?」。するとこっちまで思わず笑顔になる。気分が滅入っているときなんか、この人のアルバムを聴くとヘンテコリンな元気がわいてくる。

 サポート・ギタリストには、いまやメジャー感の漂うマイク・モレノをフィーチャーした。またマーク・ターナー(ts)の参加も見逃せない。ほかに2013年モンク・コンペ3位のゴッドウィン・ルイス(as)、エドワード・ペレス(b)、ケンドリック・スコット(ds)らが脇を固める。

 全9曲オリジナル。ふらふらと、ゆらめくようなビートとリフを多用する。ほんわか明るく、スッポ抜けたように力まない軽さがトレードマークだ。今作もそんなパーマー・ワールド全開である。

 彼は決して「かっこいいジャズ」を追求しない。大いなる外道である。そんなパーマーの異端な個性に共鳴し、それを 「おもしろい」 と感じる人だけが楽しめる――。その意味ではかなり聴く人を選ぶ。例えばハードボイルドな本格志向のジャズが好みの人にはウケないだろう。あくまで好きな人だけが買うレア物だ。

 ただ本作に限っていえば、楽曲の仕上げがアレンジを途中で放り出したような、「語尾」がきれいにまとめられてない荒さがある。いや、おそらくそういうルーズさこそがパーマーの持ち味なのだろうが、ふつうのジャズを聴き慣れた人の耳には「アレンジが未整理だ」と映るかもしれない。このへんも聴く人を選ぶ要因だろう。

 一方、(売るために大物を集めたのかもしれないが)メンバー構成にも疑問がある。上品で優雅なタイプのマイク・モレノの起用は (いい意味で) 雑なヘタうま志向のパーマーの作風にはミスマッチな感じだ。例えば過去作にも参加していた、もっとラフで尖ったプレイをするニア・フェルダーのほうがフィットしていた。

 またケンドリック・スコットにも同じことがいえる。彼はタイトでエネルギッシュなプレイが身上だ。なのにその持ち味と正反対の、ふんわり力が抜けたパーマーの曲作りにはどうも合わない。歯切れよくエッジが利きすぎているのだ。彼の楽曲にはもっとルーズなタイプのドラマーのほうがいい。

 とはいえデビュー作「SongBook」(2008年、レヴュー記事はこちら)以来、「Nothing To Hide」(2010)、「Here Today」(2011)、「Take A Little Trip」(2012)と水準をクリアした作品を連発しているパーマーだ。今回はちと採点が辛くなったが、あくまで過去作とくらべたら、の話である。さて次回作に期待するとしよう。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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