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Jason Palmer / Take A Little Trip

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Jason Palmer (tp)
Greg Duncan (g)
Jake Sherman (p, fender rhodes)
Edward Perez (b)
Lee Fish (ds)

Recorded: October 2011
Engineer: Chris Sulit (SteepleChase SCCD31750)

ミニー・リパートンのカバー集を聴いてハッピーになる

 若手トランペッターのジェイソン・パーマーは、百鬼夜行の現代ジャズ界にあってひときわスペシャルな異端児だ。作風だけでなく奏法にも独特のユーモアを感じさせる。そんな陽気な彼の作品中、いちばん明るいアルバムがこれ。ダウンビート誌で4ツ星がついた4枚目のリーダー作だ。

 オリジナル勝負の彼にしては珍しいカバー集である。1979年に31歳の若さで亡くなった伝説的シンガー・ソング・ライター、ミニー・リパートンの作品を取り上げている。どの曲もメロディラインがとってもチャーミングで、聴いてるうちに思わず頬がゆるんでしまう。ただし単なるカヴァーでは終わらせず、パーマーらしい躍動感のあるリズムアレンジでラストまでノリよく突っ走る。

 参加メンバーは、まずピアノにジェイク・シャーマン。彼が随所に散りばめたラヴリーなエレクトリック・ピアノは実に効果的だ。またパーマーのセカンド作「Nothing To Hide」(2010)でもプレイしていたグレッグ・ダンカン(g)、リー・フィッシュ(ds)の顔も見える。さらに同じくダウンビート誌で4ツ星半と高評価だったパーマーの第3作「Here Today」(2011)、最新作「Places」(2014)にも参加しているエドワード・ペレス(b)もいい仕事をしている。

 では音を聴いてみよう。

 まず愛らしいメロディの軽快なアルバム・タイトル曲で幕が開く (M-1のみスティービー・ワンダー作)。M-2は、日本でも平井堅やMISIAらがカヴァーした大ヒット曲「Lovin' You」だ。続くM-3では静かなバラードでほっとひと息。お次はホットな大盛り上がり大会が10分以上も続くM-4が待っている、てなぐあい。とにかくどの曲もメロディがいい。パーマーはこれら素材を生かしながら、メンバー個々のインプロヴィゼーションやインタープレイを織り交ぜ楽しい作品に仕上げている。

 主役のパーマーは、トランペッターらしからぬひねったプレイをする。顔を真っ赤にして力みまくるのでなく、逆にすっかり脱力した軽いプレイでひょいひょい踊るようなグルーヴを生み出す。ストレートな重戦車型のトランペッターが多い中、ひらりひらりと小鳥のように軽快なそのプレイはオンリー・ワンの個性を放つ。

 一方、パーマー作品では常連のラテン系ベーシスト、エドワード・ペレスのプレイも光る。跳ねるようなリズムのいいベースを弾き、リーダー作「The Year of Two Summers」(2008)もリリースしている。パーマーが書く楽曲のグルーヴは、ほとんど彼が作り出しているといっても過言ではない。かたや2009年のGibson Montreux Guitar Competitionファイナリストでもあるダンカンも、パット・メセニー系の繊細で魅せるギターを弾いている。

 メロディ、リズムともにバリエーション豊富でめくるめく魅力の本盤は、オリジナル楽曲の多いパーマー作品のなかではひときわ異彩を放つ隠れ名盤といえそうだ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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