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Jonathan Crayford / Dark Light

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Jonathan Crayford (p)
Ben Street (b)
Dan Weiss (ds)

Recorded: August 2013, at Systems Two, NY
Engineer: Mike Marciano (Rattle Records Rat-j-1020)

D.ワイス、B.ストリート参加、沈黙を音に変えるピアノトリオ

 ニュージーランド出身でパリ在住のピアニスト、ジョナサン・クレイフォードが、ベン・ストリート(b)、ダン・ワイス(ds)らとNY録音した新譜である。クレイフォードが音数の少ないリフを弾き始めると、とたんにワイスが手数を多くしてスーッと浮上する。押したり引いたりの2人のコミュニケーションが知的で楽しい。音符のない空間を生かした静謐なピアノも聴き物だ。

 全7曲すべてクレイフォードのオリジナル。ECMっぽいちょっと先鋭的で憂いをたたえたメロディーを軸に、メンバー3人がインタープレイで聴かせる演奏をする。主役のクレイフォードは比較的抑えたピアノを弾くが、反対に茶目っ気たっぷりなのがドラマーのワイスである。

 ヘンなところに打音を入れたり、裏で遊んだり、ピアノにからむワイスの創造的なプレイにはまったく惚れ惚れする。ドラムだけ聴いていても充分面白い。ちょうどワイスのピアノトリオによる実験作「Timshel」(2010年、レヴュー記事はこちら)から、余分な実験性を削ぎ落としたような演奏をしている。おそらくクレイフォードはワイスの同アルバムを聴いており、似た方向性の作品にしたくてワイスと共演したんじゃないだろうか。

 その証拠にこれほど遊ぶドラミングが成立するのは、クライフォードが音数を減らしてそのための空間を作っているから。その意味では三位一体のトリオ演奏の妙といえる。M-1の冒頭でリズム隊がピアノに呼応してリズミカルな動きをし、「これから何が起こるのか?」とリスナーに期待を抱かせるオープニングなどはその象徴だ。

 本作は 「ピアニストが主役として美メロを弾き、リズム隊がその伴奏をする」 というタイプのピアノトリオを求める人には向かないかもしれない。逆に楽器を使った3人のクリエイティヴな会話を楽しみたい人にはおすすめだろう。

 クレイフォードは1964年9月生まれ。学卒後、作曲家として映画業界で働き、オリジナル映画音楽でthe GOFTA (Guild of Film and Television Awards)を授与された。90年代にはニューヨークを拠点に活動し、カート・ローゼンウィンケルやデヴィッド・ビニーらとも共演歴がある。ピアノトリオ作品「Our Own Sweet Way」(2012)のほか、「Big Foot」(2007)、「Madrugada」(2004)などをリリースしている。

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