スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Richard Andersson / Intuition

1

Bill McHenry (ts)
Jacob Anderskov (p)
Richard Andersson (b)
RJ Miller (ds)

Recorded: October 10-11, 2011, at The Village Recording, Copenhagen
Engineer: Thomas Vang (Stunt Records STUCD12022)

何かがひたひたと押し寄せてくるような切迫感

 朝もやのようにたなびく音の向こうに北欧の風景が見えてくる――。フリーフォームをバックグラウンドにしたデンマーク人ベーシスト、リチャード・アンダーソンが2012年にリリースしたセカンドリーダー作である。メンバーは、ビル・マクヘンリー(ts)、R.J.ミラー(ds)のアメリカ勢と、ヤコブ・アンデシュコフ(p)、主役アンダーソンのデンマーク勢からなる混成チームだ。

 アンダーソンは1982年生まれ。14才の頃に花火遊びで盲目になるが、のちにクラシック・ギターで音楽活動を始めた。マンハッタン音楽院出身で、デンマーク最大のジャズ賞 「Stjerneprise」 や 「Fuen's Jazz Musician of the Year 2010」 を受賞している。最新リーダー作は3rdアルバム 「UDU」 (2012) になる。

 アンダーソンのオリジナル1曲と、ビル・マクヘンリー作1曲のほかは全員の共作で計10曲。台本のない、インプロヴィゼーション主体の作品だ。深々とした静けさの詰まった楽曲が続く。居並ぶプレイヤーたちが探りを入れるかのように抑えた音でたがいに話しかけている。エンジン全開の演奏が10とすれば、3か4くらいのストイックな演奏である。

 トニー・マラビー(ts)、サリヴァン・フォートナー(p)を擁した前作 「Sustainable Quartet」 (2010年、レヴュー記事はこちら) では往年のフリージャズのように激しく崩れ落ちる曲もあったが、今回はひたすら大人しい。明るくキャッチーな楽曲も差し込んでいた前作とくらべ、人間の内面を深く哲学的に思索するような内容だ。粛然とした演奏の向こう側から何かがひたひたと押し寄せてくるような、さざ波のような演奏である。

 静的な曲が続くが、内に秘めたプレイヤーのテンションは高い。その証拠に緊張感でヒリヒリするような空気感が漂う。各人が静かだが刺激的な音使いで念を放っている。目を瞑って聴くとモクモクといろんな思念がわき、知的にインスパイアされる音だ。

 コンセプトは渋いが作品としてはかなり地味めで 「これ、売れるのかなぁ?」 と逆にとこっちが心配になるが……セールスを考えず超然として自分のやりたいことだけをやってる感じが伝わってくる。個人的には、こういう音が煙る空間で何もせずボーッとしているのが好きだ。

スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

非公開コメント

プロフィール

松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

最新記事
カテゴリ
ブログ内検索
全記事一覧・表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。