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Ben Wolfe / The Wisperer

1

Ben Wolfe (b)
Orrin Evans (p)
Donald Edwards (ds)
Stacy Dillard (ss, ts)
Josh Evans (tp on M-5)

Recorded: September 24, 2014, at Acoustic Recording, NY
Engineer: Nick O'toole (Posi-Tone Records PR8134)

コンテンポラリーな秀逸バラード集で乾杯する

 ハードバピッシュなベーシスト、ベン・ウルフがリリースしたばかりの8枚目の意欲作だ。ソプラノ・サックスを大々的にフィーチャーしたバラード集である。ジャズをあえて躍動的にしてしまわないところが野心的な作品といえる。「コンテンポラリーなバラードってどんなふう?」 という問いに対する知的な回答になっている。

 メンバーは怪人オリン・エヴァンス(p)、野人ドナルド・エドワーズ(ds)とのピアノトリオに、知性派のステイシー・ディラード(ts)が加わったアンバランスな構成だ (このギャップがおもしろい)。ステイシーがなかなかにワサビの効いたソプラノ・サックスを吹いている。

 M-8の 「All The Things You are」 以外はすべてウルフのオリジナルで全12曲。うち7曲がバラードによる構成だ。個人的にはハデでうるさいのが苦手なので、このテの大人しいバラード・アルバムは苦にしないが、 「熱いジャズをノリノリで楽しみたい」 という人には物足りなく感じるかもしれない。

 あえていうならもう少し静かなナンバーを減らし、曲調に変化をつけたほうがより広い層にアピールする作品になっていたかも。ただし私個人の基準はクリアしているのでまったく不満はない。

 さてオープニングを飾るM-1は、一風変わったリフからいきなりウォーキング・ベースに変わる4ビート曲だ。ソプラノ・サックスが妖しく跳ね回る。この時点で 「本作はハードバップ色が濃いのかな?」 と思いきや、M-2、M-3と続く静かなバラードがこれまたすごくいい。

 M-2は本作ベストのすばらしい軽妙なバラードだ。エヴァンスの不思議な味のピアノソロがピリリと効いている。続くM-3も、M-2と並び本盤におけるバラードの横綱クラス。途中からテンポが上がり、後半にかけて壮大に盛り上がる。

 M-7は冒頭から唐突に始まるドラムソロがいいアクセントになっている。粘っこいベースが跳ねるリズミックなおもしろい曲だ。本作では珍しく、テナーが暴れる感じのソロを取る。一方、M-11はややアップテンポ気味の4ビート。テナーとピアノが同時にインプロヴィぜーションを繰り広げる。尻切れトンボのような終わり方をするところが意表をついている。いやはや挑戦的だ。

 全体に、3分の2をバラードが占める構成でこれだけ聴かせるというのはある意味すごい。ウルフの作風はこれまでコンサバティヴな印象があり、あまり興味を惹かれなかったが、こういう知的刺激のあるコンテンポラリーなアルバムをまた出したらぜひ聴いてみたい。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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