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Burak Bedikyan / Leap of Faith

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Burak Bedikyan (p)
Chris Cheek (ts, ss)
Ron McClure (b)
Billy Drummond (ds)

Recorded: February, 2014
Engineer: Chris Sulit (SteepleChase SCCD33119)

クリス・チークが軽やかに泳ぐコンテンポラリー・ジャズの秀作

 トルコ出身のピアニスト、Burak Bedikyanがリリースしたばかりのセカンド・リーダー作だ。彼は2013年にSteepleChaseから初リーダー作 「Circle of Life」 でデビューしたばかり。このときはクリス・ポッター(ts)にピーター・ワシントン(b)、ビル・スチュワート(ds)という豪華メンツで話題になった。さて今回のデキはどうだろう。

 まずメンバーは、フロントに現代ジャズの開拓者クリス・チーク(ts)を置いた。一方、リズム隊にはロン・マックルーア(b)、ビリー・ドラモンド(ds)というベテランを配した重厚な布陣である。決して力まず、ゆらゆらと漂うようなプレイが得意なチークが本作の顔だ。特に彼の吹く軽やかなソプラノ・サックスがアルバム・カラーにぴったりハマっている。

 主役のBurakは、まるでオルゴールのような音色の可愛らしいピアノを弾く。いままで聴いたどのタイプのピアニストとも違う。「俺が俺が」 と出しゃばる感じがなく、バッキング時はもちろん自分のソロのときにも押し付けがましいプレイはしない。

 例えば彼はソロピアノのアルバムを出し、1人でガンガン弾きまくるようなスタイルではない。あくまで楽曲の中でこそ存在が生きる草食系ピアニストである。その意味では 「超絶」 と呼ばれるような脂っこいタイプとはまるで対極に位置している。心地よい楽曲の中でふと気づくとピアノソロが聴こえてきた、心が暖まる――そんなさり気ないキャラクターの持ち主だ。

 全10曲すべてBurakのオリジナル。コンテンポラリー・ジャズを絵に描いたようなスタイリッシュなナンバーが登場したかと思うと、お次は古き良き時代を想わせる陽気なハードバップが始まる。かと思えばフリーキーな要素もちょっとある。あくまでコンテンポラリーに軸足を置きながらも、伝統と現代性がない交ぜになった綾織のようなコンポジションだ。さまざまな要素をうまく散らし、バランスを取りながら作品にバリエーションを持たせている。

 まずアルバムは、ひょうひょうとした現代ジャズのM-1で幕が開く。冒頭のソプラノ・サックスを聴いた瞬間、 「これはチークの作品ではないか?」 と思うくらいチーク色が出ている。彼のファンにはうれしいアルバムだ。M-2も同じく彼のソプラノがよく似合う。印象的なメロディを持つ佳曲である。続くM-4では、ひたひたと潮が満ちて行くような芒洋感のあるコンテンポラリーを聴かせ、次のM-5はスタイリッシュなテーマを受け、Burakが物悲しく流麗なピアノソロを弾く。

 なかでもいちばん印象に残ったのはM-6だ。ルバートのフリーキーな導入部から、突然ノリのいい4ビートになり意表を突かれる。テナーとピアノが同時にインプロをかます妖しい展開で、Burakはかなりハジけたピアノソロを弾いている。総評としては、コンテンポラリー・ジャズが好きな人なら買って損はないアルバムといえるだろう。

 本題からははずれるが、SteepleChase盤のこの音質はちょっといただけない。ピアノは音に厚みがなく、全体にスカキンな薄い音で 「中身」 の詰まった感じがしない。音像の定位はあいまいで奥行きや立体感にも乏しい。てなわけでオーディオマニア向きではないが、音楽ファンなら期待していい好盤である。ご安心を。

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Burak's Facebook: https://www.facebook.com/BurakBedikyan
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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