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Omer Klein / Fearless Friday

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Omer Klein (p)
Haggai Cohen-Milo (b)
Amir Bresler (ds)

Recorded: October 27-28, 2014, at Bauer Studios, Ludwigsburg
Engineer: Philipp Heck (Neuklang Records NCD4113)

現代性の中にルーツが漂うイスラエル風ピアノトリオ

 イスラエル出身の若手ピアニスト、オマー・クラインが6枚目のリーダー作をリリースした。今回もルーツに根差した哀感のあるフレーズで楽曲を組み立てている。だが彼の場合はそれがくどく感じられず、さらりとしているところがミソ。一発で耳に残るメロディ作りが印象的だ。

 全10曲すべてクラインのオリジナル。中東フレイバー漂うメロディーがそこかしこに登場するが、暑苦しい感じはない。奇をてらうようなアレンジもせず、曲作りがナチュラルだ。スッと肩の力が抜け、流れに身を任せられる。特にM-5以降の後半は、現代ジャズっぽく醒めた感じがなかなかいい。プレイスタイル的には曲の山場で熱くなるような場面もあるが、新世代ジャズの若手らしくクールな一面も併せ持っている。

 さて本作はピアノトリオだが、同じイスラエルのピアノトリオでも先日レヴューしたアヴィシャイ・コーエン(b)の新作 「From Darkness」 (2015年、レヴュー記事はこちら) とはかなりテイストが違う。アヴィシャイ作品のようにアクロバチックな超絶技巧を見せつけるようなところがまるでなく、訥々とアルバムが進行して行く。

 同じようにイスラエルをルーツにしていても、アヴィシャイはド派手でアレンジが装飾的、ひたすら力でねじ伏せようとする。それに対し、クレインは柔よく剛を制すで軽く 「いなして」 いる。着飾った感じがしない。アヴィシャイがギラギラした肉食系なら、クレインはさっぱり草食系だ。

 料理する素材は同じ 「魚」 でも、片方は油で揚げてこってり天ぷらにしているが、もう片方はあっさり刺身で召し上がれ、みたいな感じ。アヴィシャイは民族楽的な要素が脂っこいのでなく、料理の仕方が脂っこいのだ。

 対してクラインの作る音楽は、寿司でもつまむようにスイスイ喉を通って行く。もちろん民族楽っぽいリフレインを多用するためそれが耳につくことはあるが、トータルとしてリスナーを胸焼けさせるようなところはない。メロディーもよく耳に残るし、充分に美しい。イスラエル・ジャズの入門編としてもおすすめだ。

 クラインは1982年イスラエル生まれ。イスラエルのテルマ・イエリン芸術高校でシャズ・ピアノを学んだ。卒業後、イスラエル文化省のお墨付きにより、2005年にボストンのニューイングランド音楽院に奨学金制度で入学。ダニーロ・ペレスやジョージ・ガゾーンらに師事した。2007年にFSNTから 「Duet」 でデビューしている。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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