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Joe Lovano & Dave Douglas Sound prints / Live at Monterey Jazz Festival

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Joe Lovano (ts)
Dave Douglas (tp)
Lawrence Fields (p)
Linda Oh (b)
Joey Baron (ds)

Recorded: September 21, 2013, Live at Monterey Jazz Festival
Engineer: Ron Davis (Blue Note Records 4710914)

にぎやかな二管と跳ねるグルーヴがやけに楽しい

 ジョー・ロヴァーノ(ts)とデイヴ・ダグラス(tp)による初の共同名義クインテット 「SOUND PRINTS」 のデビュー盤が出た。2013年9月に行われたモンタレー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ演奏が収録されている。おもちゃ箱をひっくり返したような賑々しさで、強力な二管が縦横無尽に宙を舞う。このバンドのためにウェイン・ショーターが書き下ろした新曲2曲を含んでいるのも話題である。

 今回の新クインテットはショーターにインスパイアされており、バンド名の 「SOUND PRINTS」 なるネーミングもショーターの名曲 「Footprints」 にちなんでいる。とはいえロヴァーノとダグラスの新曲もそれぞれ2曲づつ用意されており、バンドとしてのオリジナリティも高い。アグレッシヴに跳ねる特徴的なノリで、パッと聴きではダグラス単独名義の作品といっても通りそうなテイストだ。

 2人のリーダーをサポートするメンバーは、ローレンス・フィールズ(p)にリンダ・オー(b)、ジョーイ・バロン(ds)とおいしいところを揃えた。本盤で初めてバロンのプレイを聴いた人は、その大音響で炸裂する強烈なドラミングに驚くことだろう。かたや相棒のリンダは相変わらず女性とは思えないノリでブンブン飛ばす。だが同時に二管とドラムがけっこう遊ぶこのクインテットの命綱を握っているのは、バランサーとしての彼女であることは間違いない。

 一方、ローレンス・フィールズは、ジャリール・ショウの最新作 「Soundtrack of Things to Come」 (2013年、レヴュー記事はこちら) でのプレイがとにかく鮮烈だった。本作では全体のバランスを取るためやや控えめだが、それでも艶のある芳醇な音色と繊細なタッチを武器にひと波乱起こしそうな予感がある。

 さてアルバムはいかにもロヴァーノ作らしい、素っ頓狂でトリッキーなフリーっぽいナンバーで幕が開く。二管が喚きまくり非常に活発だ。続く2曲目はダグラス作。途中から4ビートになりグイグイ行く。ダグラスが数パターンのスタイルを使い分け、トランペッターがまるで複数いるかのようなソロを聴かせていておもしろい。フィールズのピアノソロもスリリングで聴き応えがある。

 続く3曲目と4曲目はショーターの作品だ。彼から渡された譜面はすべて手書きで、細かなニュアンスまで記してあったという。まずベースの滑らかなイントロで入るM-3は、ちょっと不思議なテイストだ。静的なイメージから次第に盛り上がって行く。ロヴァーノの奇矯なプレイが 「あっちの世界」 へ行っちゃいそうな雰囲気を醸し出している。

 一方、M-4は明るい楽想だ。二管が同時に吹きまくり、にぎやかそのもの。ショーター作だが、おどけたように躍り上がるグルーヴがデイヴ・ダグラスの作品群を思わせる。ロヴァーノ作の小品M-5を挟み、ダグラス作の最終曲は彼らしく、とっ散らかった感じの陽気で楽しいナンバーだ。終盤にベースソロ、ドラムソロが続き、大団円を迎える。

 総評としては全体に約束事が多いわりにおかずを大胆に散りばめるなど、自由なところとそうでないところのコントラストが強い。構成も複雑で難曲ぞろいだ。あたかもステージ上で役者を使った透明な演劇が行なわれており、その進行に合わせて山あり谷ありの舞台音楽を演奏しているかのよう。聴いてるほうは気が楽だが、これを 「演奏しろ」 と言われたら誰もが裸足で逃げ出すだろう。かなり高度な演奏であり、情報量も多い。このライヴを楽しめるかどうかはリスナーの想像力にかかっているかもしれない。

 なお音質はライヴの宿命かあまり良くない。全体に解像度が低く、音像がうすいベールを1枚まとっているような感じ。音場も狭い。二管とドラムはとにかく音がデカいのでよく聴こえるが、ベースがその谷間に埋もれてこもり気味なのがちょっと残念だ。とはいえ内容がハイレベルなので、まあよしとしよう。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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