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Alex Norris / Extension Deadline

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Alex Norris (tp, fl)
Gary Thomas (ts)
George Colligan (org)
Rudy Royston (ds)

Recorded: June 8, 2013, at Skyline, NJ
Engineer: Paul Wickliffe (Brooklyn Jazz Underground Records BJUR052)

ルディ・ロイストンとコリガンが挑む現代オルガン・ジャズの威力

 ニューヨークで活動するトランペッター、アレックス・ノリスの新作がリリースされた。ブルックリンのジャズ・カルチャーを発信するインデペンデント系レーベル発だけに現代的なテイストだが、エネルギッシュなルディ・ロイストン(ds)が参加したオルガン・ジャズゆえイキがいい。対照的にクールな主役ノリスのプレイと合わせ、おもしろい化学反応を生んでいる。コンテンポラリー・ジャズのフォロワーなら聴いておいて損はない1枚だ。

 ノリスとフロントを組むのは、80年代後半にグレッグ・オズビーと並びジャック・ディジョネット・スペシャル・エディションのフロントマンとしてのし上がってきたゲイリー・トーマス(ts)だ。ヘビーな吹きぶりで今っぽい楽曲に喝を入れる。一方、核になるオルガンを弾くのはジョージ・コリガン。彼が繰り出すベースラインに、ロイストンのドラミングが熱くからむ。リズム好きにはたまらない魅惑の布陣である。

 ノリスのトランペットは、ショーン・ジョーンズのように野性味あふれる剛球タイプではない。かといってデイヴ・ダグラスやラルフ・アレッシみたいに、おどけて跳ね回るフリーっぽい系統でもない。曲によってはあえて力を抜き、ゆらゆらと波間を漂うようなブルックリン系コンテンポラリーに散見されるスタイルだ。サックス奏者なら見かけるタイプだが、ストレートなプレイになりがちなトランペッターでこの種のひねりは珍しい。

 そんなわけで主役のプレイは絵に描いたようにクールだが、コリガンあやつるオルガン・ベースとロイストンが組む熱いリズム隊だけに、バンド全体の温度感はニュートラルからややホット寄りに振れている。ただし昔のオルガン・ジャズみたいにコテコテじゃなく、底流にどこかしら醒めた現代風味が覗くところが興味深い。

 ノリスのオリジナル6曲にコリガンが1曲を持ち寄り、ボビー・ハッチャーソンの 「Little B's Poem」 を加えた合計8曲。唯一、M-2だけは90年代から2000年代初頭にかけ一世を風靡した浮遊感のあるテーマでやや時代遅れな感じだが、その他の楽曲に大きな穴はない。アルバム前半は颯爽としたちょっとダークな4ビートのM-1や、ゲイリー・ヴァセイシのアルバム 「Outside In」 (2008年、レヴュー記事はこちら) を思わせる世紀末チックなM-3、ノリのいいダンディな4ビートのM-4とバラエティに富む。

 続くアルバム後半は、シリアスでかっこいい現代ジャズのM-6や、真っ向勝負の男前な4ビートのM-7、アップテンポでスリリングな4ビートのM-8あたりが印象に残った。前半とくらべ、力でねじ伏せる保守本流ぶりが顔を出すのがおもしろい。

 それにしてもアルバム全編で、ロイストンのドラミングが冴え渡っている。特にM-1とM-8ではドラムソロまで披露しているし、彼のプレイを聴いてるだけでかなり楽しめる。リズムに強弱をつけるのがうまく、パワフルなプレイをしても絶対にうるさく感じさせないところがすごい。ロイストンはここ数年レコーディングの仕事が激増しており、乗りに乗ってる時期なのだろう。

 なお、主役のノリスはメリーランド州コロンビア出身。高校卒業後、ボルチモアのPeabody Conservatory of Musicでトランペットを学んだ。90年に同音楽院を卒業し、1992年にニューヨークへ進出した。2000年にFSNTからアルバム「A New Beginning」でデビューしている。

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