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Dayna Stephens / Today Is Tomorrow

ds_t

Dayna Stephens (ts)
Michael Rodriguez (tp, flh on 2,6)
Julian Lage (g on 4,6,7)
Raffi Garabedian (ts on 3)
Aaron Parks (p)
Kiyoshi Kitagawa (b)
Donald Edwards (d)

Rec. October 27, 2011, at Systems Two Recording Studios, NY
Engineer: Michael Marciano (Criss Cross 1345)

スルメ化の予感ありあり、漂うような味わい深いバラード集

 サックス奏者、デイナ・スティーブンスが先月末に出したばかりのセカンド・リーダー作だ。緩めのバラードが多くゆったりリラックスでき、聴けば聴くほど味が出る超おすすめ盤。ピアノにアーロン・パークスのほか、ニューヨークを拠点に活動している北川潔 (b)、また注目の若手ギタリストであるジュリアン・レイジが3曲参加しているのも話題だ。

 スティーブンスはバークリー音大卒の1978年生まれ。2007年発表の「The Timeless Now」(CTA)でデビューし、チック・コリアのバンドに在籍したこともある。決して力まず熱くならないクール系で、気だるく今っぽい演奏をする。最近のプレイヤーではマーク・ターナーや、ジェレミー・ペルト作品でプレイしている時のJ.D.アレンに近い感じだ。個人的にはどストライクだが、ただし「ジャズに熱さや力感は絶対条件だ」という人はピンとこないかもしれない。

 スティーブンスのオリジナルが5曲、参加メンバーのアーロン・パークス2曲、ジョー・ヘンダーソンの「Black Narcissus」、スタンダード2曲の合計10曲。地味めのスロー~ミディアム・バラードが多く派手なナンバーは皆無だが、一聴して 「よさそう」 と感じるのだから聴き込めば必ずやスルメ化すると見た。非常に好みだ。

 Criss Cross が2月にリリースした4枚のうち、「Introducing Joe Sanders」 は早々に購入確定していた。あとは残り3作をネット試聴し、好みに合いそうな本作を選んだが正解だった。気負い込んで買った「Introducing~」より、すでにこっちの方がすっかり気持ちよくなっている。

ジェレミー・ペルトの最新作 「Soul」 に近いさり気なさ

 適度に4ビートをまじえながら、漂うようなノリの楽曲が続く。アルバム全体のテイストとしては、バラード寄りだったジェレミー・ペルトの最新作 「Soul」 (2012) のM-1~M-5に近い感じだ。

 パッと聴きでは美しいM-1と、NYC的でとんがったM-10のインパクトが強い。あとはキメがかっこいい4ビートのM-2や、陽気でわかりやすい4ビートのM-5、ギターのバッキングが印象的で味のあるM-6あたり。今っぽく浮遊したあとウォーキングベースになるM-8もいい。ただ逆にM-3やM-4、M-7、M-9のように、一見地味な深みのあるバラードこそが実はスルメ化するものだ。現にM-7、M-9は聴くたびによくなっている。

 ちなみにM-4の 「De Pois Do Amor, O Vazio」 は、ウェイン・ショーターのBlue Note最後の作品 「Odyssey Of Iska」 (1970) の4曲目に収録されていた曲である。そう、あのショーター世紀の実験作 「Super Nova」 (1969) から続く3部作の最後に当たるコンセプト・アルバムだ。

 この盤を買った動機のひとつでもあるジュリアン・レイジは、参加3曲のうちそのM-4で美しく儚いソロを決めている。あとはM-6で何気ない系のソロを聴かせ、出番最後のM-7では味のあるバッキングに徹している。レイジの演奏を聴くのはまだ2度目だ。初めて聴いたのは、バンド全体がやたらにうるさい点だけが印象に残ったエリック・ハーランドの 「Voyager」 (2010) だったので、ギターはまったく記憶にない。本作では彼を見直せてよかった。

 一方、リズム隊は初聴きだが、すんなり耳に馴染んだ。ベースの北川はM-5とM-9、M-10、ドラムスのエドワーズがM-6でともにソロを披露しているが、どちらもまっすぐ素直で筋がいい。特に北川が聴かせたM-10のソロはミステリアスでとても印象に残る。

 最初にひと通りアルバムを味見したとき、最終曲のM-10を聴き 「うわぁ、冒頭のとぼけたメロディーと浮遊したリズムがいかにも今風だなあ。NYCっぽい」 と思ったら、案の定アーロン・パークスの作曲だった。パークスは特にM-7、M-9でさり気ないながらすごくいいソロを弾いている。ヒット作請負人の彼は、きっと本作でもアレンジ面など裏でかなり糸を引いてるんだろう。パークスの仕掛けは今回も見事に当たったようだ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

No title

こんばんは。 

スルメ化の予感ありあり、、、いいフレーズですねw

ジャケ写とは違いブリブリバリバリあまり来ない、
うつむき加減系ですよね。

トラックバックありがとうございました。

甘酸っぱいスルメ味

こんばんは。

いい感じでうつむいてますね、音が。

3~4回通り聴いた時点でスルメ化の予兆があり、
その後、甘酸っぱい味が固着化しました。
今や、愛聴盤です。

けっこういいアルバムでした

曲ごとに色々なサウンドが入っていて(それでもやっぱり現代ジャズって感じですが)、時おり出てくるゲストも効果的で、なかなかいいなあ、と思います。リーダーのテナー・サックスの演奏はもちろん、ゲストのジュリアン・レイジもよかったけれど、アーロン・パークスがけっこう効果的に雰囲気を醸し出していますね。確かに私もスルメ盤になりそうな気がしています。

当方のブログアドレスは下記の通りです。
http://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2012/03/today-is-tomorr.html

パークスの存在は大きいですね

910さん、こんにちは。

コメント&URLありがとうございます。
パークスはさり気ない系のいいソロも弾いてましたし、
アレンジ面とか裏でいろいろ働いてるような気がします。
(ただM-10みたいな曲ばかりになると困りものですが(笑))

噛めば噛むほど味が出る渋いスルメ盤で、いいアルバムですね。
一聴して目を引くようなキャッチーで派手な曲を揃えたものよりも、
こういう本当にいいアルバムが売れてほしいな、と思います。

こちらからもTBさせていただきます

一枚目の「Dayna Stephens fea.J Scofield/The Timeless Now」とはメンバーが違うこともあって、やっている音楽を変えてきている印象だったのですが、こちらの方もなかなか良かったです。
ステフェンズはもちろん、各人がいい仕事をしてましたが、その中でもパークスのさりげない上手さが光ってましたね。
楽曲的にも彼の2曲が一番よく感じました。

デビュー作にも興味がわきました。

naryさん、こんばんは。

本作がかなりツボにきたので、この人のデビュー作が気になっていたのですが、
ちょうどnaryさんの記事を読んでますます興味がわきました。
ハーランドとジョンスコ入りでは、買うしかないですね(笑)
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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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