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Justin Kauflin / Dedication

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Justin Kauflin (p, key)
Matt Stevens (g)
Christopher Smith (b)
Billy Williams (ds)
Etan Haziza (nylon g on M-12)

Recorded: July, August, and September 2014
Engineer: Helik Hadar and Rob Ulsh (Jazz Village JV579003)

ハートフルで暖かいポピュラリティがいい

 コンテンポラリーな香りもするが、どちらかといえば王道に近い。奇をてらわないストレートな作りだ。ほんのりハートフルで暖かい。日の出の勢いのギタリスト、マット・スティーヴンスの顔も見える。盲目の若きピアニスト、ジャスティン・カウフリンがリリースしたばかりのセカンド・リーダー作である。

 だれもが 「いい」 と感じるようなポピュラリティがある。聴く人を選ばない音だ。翳りと憂いのある4ビートが炸裂するかと思えば、美しく大人っぽいバラードが漂う。全12曲すべてジャスティンのオリジナルだが、かなり優れたコンポーザーである。おまけにクインシー・ジョーンズがプロデュースしているのだから鬼に金棒だ。

 ギター入りのカルテットで8曲、ピアノトリオで3曲、ソロピアノ1曲の3パターンが収録されているが、ピアノトリオはドラマチックなM-3やM-6、M-9などまさに堂々の王道。カルテットのほうが現代的で今っぽい。

 ホットでノリノリの4ビートを聴かせるM-1や、6拍子でミステリアスな現代ジャズのM-2、ソウルっぽくドラマチックなM-3、3拍子でメロディーラインに強い惹きがあるM-4、カントリー的でアーシーなM-12あたりが印象的だ。ちなみにM-4の 「The Professor」 は、2013年5月に57才の若さで亡くなったジャスティンの師マルグリュー・ミラーに捧げられている。

 ジャスティンは1986年シルバースプリング生まれ。柔らかな軽いタッチで繊細さや透明感を武器にするタイプだ。その意味では師事していたマルグリュー・ミラーに近い。ゴスペルっぽい演奏で盛り上がっても決してオリン・エヴァンスのようにピアノを壊しそうにはならず、どこか客観的で超然としたところがある。意図的に狙ってそうしているのかはわからないが、我を忘れず黙々と弾く。かたやドラマチックな曲では微かにブラッド・メルドーの影響も垣間見える。

 一方、ギターのマット・スティーヴンスも非常にいい味を出している。彼の現代的な演奏が本作にコンテンポラリーな味つけをしている。もし彼が参加していなかったら、このアルバムはまったくちがったものになっていただろう。それくらい存在感が大きい。最近ではウォルター・スミス3世の最新作 「Still Casual」 (2014年、レヴュー記事はこちら) でもいいプレイをしていたが、自身のリーダー作のリリースも控え公私共に充実しているのだろう。

 彼は細めの軽やかな音使いで、1小節の中に音を無闇に詰め込もうとしない。若いのになかなか渋いプレイをする。彼の演奏を初めて聴いたのは同じくスミス3世のアルバム 「Bronze」 (2009年) だったが、そのときは単にカート・ローゼンウィンケルの真似をしているだけのギターだった。それが今や押しも押されもしないオンリーワンのスタイルを確立しているのだから、時の流れは早いものだ。

 本作はクインシー・ジョーンズ・プロデュースのせいか、要所でR&Bやゴスペルっぽい要素が顔を出す。ひょっとしたらジャスティン自身がキリスト教を深く信仰していることも関係しているのかもしれない。だがその黒っぽいエッセンスが決して主張しすぎず、嫌味になっていない。心が温まる1枚である。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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