Rotem Sivan Trio / A New Dance
|Posted:2015/12/09 08:31|Category : ロテム・シヴァン|
Rotem Sivan (g)
Haggai Cohen-Milo (b)
Colin Stranahan (ds)
Recorded: January 29-30, 2015, at Atlantic Sound Studio, NY
Engineer: James A. Farber (FSNT 480)
つぶやくギターが個性を放つ
ささやくようにギターを弾くイスラエル人、ロテム・シヴァンの最新サード・アルバムがリリースされた。ワイルドに歪んだ音に初挑戦し、新境地を開拓した曲もチラホラ。ただし基本は、蚊が鳴くように小さな音でデリケートなプレイをするいつも通りの展開だ。デキがよかったデビュー作と甲乙つけがたい良盤である。
ロテムはテルアビブ大学を卒業後、ニューヨークのニュー・スクールで学び、2009年にはスイスのモントルー・ジャズ祭のインターナショナル・コンテストに入賞した。2013年にファースト・リーダー作「Enchanted Sun」(レヴュー記事はこちら)をリリースしている。
スタンダードを2曲収録したデビュー作は手堅い好盤だった。だが2枚目の「For Emotional Use Only」(2014)はインタールード的な短く中途半端な曲が散りばめられ、散漫で物足りない印象が残り、彼の作曲能力に黄色信号が灯った。そして迎えた本作である。
オリジナル7曲を含む合計10曲。オリジナル曲はありきたりな起承転結がなく、つかみどころのない不思議なテイストである点は2作目と同じ。だが今回は耳に残るメロディーが多く、楽曲のレベルが前作より明らかに高い。
特に軽く歪んだ音で弾きまくるM-3は、1st、2ndアルバムを聴いている身としては、「この人ってこういう演奏もできるの?」という感じ。荒々しいテイストが意外にハマっている。今後もアルバムに1〜2曲はこのテをぜひ入れてほしいものだ。期待しよう。
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