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Gerald Cleaver / Gerald Cleaver's Detroit

Gerald_Cleaver_Gerald_Cleavers_Detroit.jpg

J.D.Allen (ts)
Andrew Bishop (ss,ts,bcl)
Jeremy Pelt (tp,flh)
Ben Waltzer (p)
Chris Lightcap (b)
Gerald Cleaver (ds)

Rec. December 18, 2006, at Barbes, NY
Engineer: Jon Rosenberg (FSNT 301)

ペルト作品を思わせるダークな裏名盤

 何度聴いても飽きない裏名盤だ。ジェレミー・ペルト・バンドでの活動でも知られるドラマーのジェラルド・クリーヴァーが、2007年にリリースしたセカンド・リーダー作である。メンバーが似ていることもあり、ペルトのバンドに近いダークなテイストがいい。

 参加メンバーはサックスにJ.D.アレンとアンドリュー・ビショップ、トランペットにジェレミー・ペルトの3管を配した。ピアノはベン・ウォルツァー、クリス・ライトキャップがベースを弾いている。

 本作はクリーヴァーが、移り行く自分の故郷・デトロイトにささげたオマージュだ。ブルックリンのジャズ・クラブ、Barbesでライブ録音されている。

 全13曲すべてがオリジナル。楽曲自体やベースライン、サックスのメロディーには、地獄で鬼が笑っているような乾いたユーモアが感じられる。4ビートや非4ビート、変拍子、ポリリズムといろんなものが混在するコンテンポラリー調だが、アルバムを通して聴くとはっきり統一感がある。

 フリージャズから歌伴まで雑食性の活動をしてきたクリーヴァーだが、本作は(背景に複雑な音楽的要素が隠されていても)一聴してわかりやすく、理屈ぬきで楽しめる内容にまとめている。むずかしいことをわかりやすくやって見せるのは、芸術においていちばん高度なことである。

 楽曲別ではベースのリフレインがユーモラスなM-2や、哀愁漂うバラードのM-3、奇妙な明るさのあるウォーキングベースのM-4、引っ掛かるようなリズムがおもしろいM-7、冒頭のバスクラリネットが印象的なM-8、速いテンポで畳みかけるM-10あたりが印象に残った。

メンバー全員が味を出し切った演奏だ

 クリーヴァーは1963年生まれ。元ウディ・ショウ・クインテットのビクター・ルイスに師事した。80年代から活動しており、90年代にはミシガン州立大学ジャズ学部で教鞭を取ったこともある。初リーダー作はFSNTからリリースした「Adjust」(2001)、本作はそれに続く第二弾だ。

 クリーヴァーはぞろぞろっ、ぞろぞろっ、という感じのルーズで独特なドラミングをする。こういうタイプのドラマーは初めて聴く。個性的だが、慣れればクセになるタイプだ。他のメンバーでは脱力系テナーのJ.D.アレンがおいしいのはもちろん、ジェレミー・ペルトが特にM-8、M-9でいい吹きぶりをしている。

 またピアノのベン・ウォルツァーもすごくよかったので、FSNTから出ているリーダー作何作かを試聴したが、別人みたいな内容で乗れなかった。残念だ。ベースのライトキャップはコリッとしたタイトな質感で、同じく印象に残った。ペルトのバンドのドウェイン・バーノより明らかに好みだ。

 最後になんといってもこのアバンギャルドなM-1に、ジェラルド・クリーヴァーの人生や生き様がすべて表れている。こんなつかみの悪い曲を冒頭に選ぶなんて、まったくどうかしてる。ふつうド頭の1曲目はキャッチーで売れ筋の曲を選ぶのがセオリーなのに。

「1曲目は耳に残る曲にし、ネット試聴してもらえたとき、つかみをよくしよう」とか、「街角の店先で1曲目を流してもらえたとき、通行人の印象に残る曲にしておこう」なんてことはカケラも考えてないのだ。この人はきっと「売れよう」なんて思ってないのだろう。

 というかどう考えても、彼はわざわざこの不気味な曲を1曲目に選んでいる。「お前ら、買うなよ」とでもいうかのように。お客を拒み、コマーシャリズムを大仰に否定してみせるかのように。ジャズ屋さんは変わった人が多いようだ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

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Grass_hopper様

リンクを有難うございます。

こちらかも相互リンクさせて頂きました。
かなりマイペースなマイナー・サイトですがこれからも宜しくお願いいたします。

こちらこそありがとうございます。

まん丸クミさん、こんにちは。
こちらこそリンクありがとうございます。
うちもマイペースであることには変わりないです(笑)

今後ともよろしくお願い致します。
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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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