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Joona Toivanen trio / At My Side

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Joona Toivanen (p)
Topani Toivanen (b)
Olavi Louhivuori (ds)

Recorded: November 16-18, 2008, at Finnvox Studioin, Helsinki
Engineer: Mikko Raita (CAMJ 3308-5)

ひんやり冷たい北欧の曇り空が見えてくる

 これは究極のリラクゼーション・ミュージックである。ただし決して薄っぺらではない。コンテンポラリーで繊細な美しさがあり、メランコリックでちょっとアンビエント。音の向こうに凍てつくような北欧の曇り空が見えてくる。わかりやすくいえばジョアン・ジルベルトの『三月の水』(1973)をピアノで表現したらこうなります、みたいな世界だ。

 心とカラダにじんわり効く、とっておきの癒しの音。まだ脳が目覚めてない朝に流すといちばん効く。今まで聴いたピアノトリオの中でもまちがいなくベスト5に入る。10曲すべてオリジナル。フィンランドの妖精、ヨーナ・トイヴァネンが2010年にCAM JAZZデビューを飾った4作目の逸品である。

 ヨーナは1981年生まれ。弟のタパニ(b)と、その同級生だったオラヴィ・ルーヒヴオリ(ds)と共に1997年にフィンランドで結成したピアノトリオ。2000年に自主制作録音した『Numurkah』でデビューした。CAM JAZZからは、本作に続く第二弾としていずれ劣らぬ傑作の『November』(2014)をリリースしている。

 いやはや彼と同じフィンランド生まれのピアニスト、ヨーナス・ハーヴィスト(レビュー記事はこちら)に出会ってからというもの、北欧系ピアノトリオにすっかりノックアウトされ、しばらくそっち方面ばかりを彷徨っていた。なんせ「ピアノトリオだって? 甘ったるいだけだろ、ケッ」な人間だったもんで(反省)相当に未開拓な分野だったのだ。そんなわけで自らの無知と浅さにうちひしがれながら程なく遭遇したのが本作だった。後頭部ズゴンである。

 ヨーナのピアノは、同じ若手で北欧ノルウェー出身のエスペン・バルグ(Espen Berg、1983年生まれ)あたりとはまったく対照的だ。エスペンは音数が多くてド派手できらびやか、いかにもわかりやすい超絶技巧で聴き手を圧倒する。

 それに対し本作のヨーナは「いかに弾かずに自分を表現するか?」を追求している。あくまで音数は最小限に抑え、テンポもゆったり。気だるいムードで空間に響き渡る音の余韻をしっとり聴かせる。質感はいかにも北欧でひんやり冷たく、まるで凍った湖の底から空の月を見上げながら聴いているかのような気分にさせられる。おすすめです。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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