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Joona Toivanen Trio / November

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Joona Toivanen (p)
Tapani Toivanen (b)
Olavi Louhivuori (ds)

Recorded: February 27-28, 2014, at Svenska Grammofon Studion, Gothenburg
Engineer: Oskar Lindberg (CAMJ 7878-2)

北欧ピアノトリオの誘惑

 物憂く、気だるく、はかなくも美しいオープニング。何かとてつもない人生の悲哀を抱えた女性の吐息を思わせる。とても繊細で触れると壊れるガラス細工のようなピアノトリオだ。フィンランドの若手ピアニスト、ヨーナ・トイヴァネンが2014年にCAM JAZZ第二弾として放った5作目の傑作である。

 ヨーナは1981年フィンランド生まれ、現在はスウェーデンのヨーテボリ在住。弟のタパニ(b)とその同級生オラヴィ・ルーヒヴオリ(ds)らと、1997年にフィンランドで本トリオを結成した。2000年に自主制作録音した『Numurkah』でデビュー。CAM JAZZ第一弾としては、2010年に本作と双頭をなす絶品『At My Side』をリリースしている。

 ヨーナは本当に弾かないピアニストだ。音数があくまで少なく、1音と1音のあいだにたっぷり間を取り空間的な響きを余韻としてたなびかせる音の魔術師である。音符のない空間を生かす手法のうまさはマーク・コープランドにも匹敵する。聴くほどに才能に満ち溢れた音楽家だ。

 ヨーナのオリジナル5曲にメンバーのオリジナル6曲を加えた計11曲。思い入れの詰まった子供の大切なおもちゃ箱のように、とっておきのプレゼントが時間を忘れさせてくれる。どの曲もしんしんと雪が降り積もる瞬間を譜面にしたかのような精緻なたたずまいだ。ピアノの夢幻フレーズが宙を舞い、聴き入るリスナーをみずみずしく誘惑してくる。

 よくある薄っぺらな美しさだけを売りにするピアノトリオとはまるでモノが違う。北欧の静かな暮らしとアイデンティティがぎっしり詰まった音の玉手箱。たとえ箱を開けて老人になったとしてもまったく後悔はない。とにかく聴けばわかる。絶対にソンはさせない。前作『At My Side』とともに、2000年以降のピアノトリオの世界に金字塔を打ち立てた珠玉の名作である。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

確かにいいですね!
紹介ありがとうございます!

大久保さん、こんにちは

コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、このトリオのこの盤は、前作『At My Side』と併せてコンテンポラリーなピアノトリオの金字塔だと思います。どうぞお楽しみください!

連続コメント失礼します。
こちらのブログは、文章も好きです。
ただでさえ、音楽を文章表現するのは難しいのに。
もし、サラッと書いていらっしゃるのなら羨望です。
今年は、お休み期間もあったようですね。再開が嬉しかったです。来年も楽しみにしております。

励みになります。

大久保さん、こんにちは。

文章を気に入っていただけているとのこと、
励みになります。ありがとうございます。

別のブログにかかり切りになっていたこともあり、少し更新休止していました。
http://blog.goo.ne.jp/matsuoka_miki

年末からこちらのブログもエンジンがかかってきましたから、
この調子で来年もやります。どうぞよろしくお願いします。
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松岡美樹

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予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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