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Jimmy Greene / Mission Statement

Jimmy Greene  Mission Statement

Jimmy Greene (ts,ss)
Lage Lund (g)
Stefon Harris (vib on M-5)
Xavier Davis (p,rhodes)
Reuben Rogers (b)
Eric Harland (ds)

Rec. October 13-14, 2008, at Systems Two Recording Studios, NY
Engineer: Mike Marciano (Razdaz SSC4608)

都会的で洗練されたコンテンポラリージャズ

 ジミー・グリーンはサックス奏者としてより、むしろコンポーザーとしての能力が高いように思う。曲調は都会的でコンテンポラリーかつ洒脱、1曲を除きすべて彼のオリジナルだ。どの曲も地味めでさり気ないが、繰り返し聴くほどに味が出る。

 グリーンの作品はルーベン・ロジャース(b)とエリック・ハーランド(ds)の参加に目がくらみ、本作と「True Life Stories」(2006)、「Gifts and Givers」(2007)を立て続けにリズム隊買いした。が、買った当初は正直激しく後悔した。

「うわぁ、このサックス、パッとしないなぁ。フレーズがなんとなく流れて耳に残らないし、飛び抜けた部分が感じられない。楽曲も地味でイマイチだし。やっぱり脇のメンツに騙されてリーダー・プレーヤーに思い入れがないCDを買うと後悔するなぁ」

 そんな感じだった。

 だが聴き込むうち、だんだん楽曲に惹かれて行った。

 グリーンが書く曲は突き放した不思議な明るさがある。ただわかりやすい美メロじゃないから、一度や二度聴いただけではよさがわかりにくい。「つかみ」として成立する大仰なメロディではないので返ってしつこくないし、暑苦しくなくていい。こういうあっさりしたサラダ味はいったんハマると飽きがこない。

 グリーンは胃薬を飲むように毎日聴け。そうすれば必ず効く。

 本日の格言である。

ラーゲ・ルンドのクールなギターがいい

 さて本作は楽曲のよさ以外にも、冴えたギタープレイとリズムセクションのノリが魅力的だ。まずM-1、M-2、M-7で聴けるラーゲ・ルンドのクールで洗練されたギターソロがいい。

 ルンドはマイク・モレノ、アダム・ロジャースと並び、コンテンポラリー・ジャズギタリストの御三家だ。「誰もがローゼンウィンケルになりたかった時代」にデビューしたルンドとモレノは、初期の頃にはカートっぽい浮遊系のノリと硬い音質、フレージングがウリふたつだった。どっちがルンドでどっちがモレノか、2人は見分けがつかなかった。だがその後めいめい順調に自分の色を出してきている。

 モレノがより柔和で美しく繊細な方向へ進んだのに対し、ルンドは無機質なマシンっぽさはそのままにシャープで厳格なピッキングとフレージングで記憶に残るメロディを量産し続けている。

 一方、お目当てだったルーベン・ロジャースとエリック・ハーランドのリズムセクションも期待通りだ。彼らの地を這うようなうねるグルーヴは、どのアルバムでも非常に質が安定している。プロなら80点以上の作品をコンスタントに作り続けられるのは当たり前だが、彼らの場合は80点じゃなく120点なのだから驚かされる。

 ハーランドは重いドラムを叩くが、おかずになると速いパッセージをびっくりするほど軽やかにこなす。彼のように「重くて軽やかな」ドラマーは珍しい。

 回りの音もよく聴いている。M-3、M-10ではソロを取るサックスのフレージングに反応し、瞬時に答えを返す彼のドラミングにハッとさせられる。広がりのある音質もよく、絶対買って損はない良盤だ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

こちらからもTBさせていただきます

ジミー・グリーンは現代ジャズファンの間であまり話題に上がりませんが、わたし的には大好きなサックス奏者です。
といってもバックのメンバーが凄いからってところもありますけどね(笑)。
それでもそんな凄腕たちと平然とやりあっているグリーンはさすがだなあと思います。
本作はルンドが参加していることもあって、他のアルバムと比較するとサウンドがいくぶんソフトタッチな印象でしたが、そんなところもまた良かったです。

naryさん、トラバありがとうございます。

naryさん、こんにちは。グリーンはわざとらしいフリークトーンやロングトーンを使わず、ギミックに頼らない正統派という感じですね。ただ個人的には、もっと何小節かに一回は聴き手を「ハッ」とさせるような耳に残るメロディが織り交ざるといいな、と思います。(ソロがなんとなく流れてしまう印象なので)

グリーン作品は、文中に書いた3作の中では、豪華メンツがいないぶん「True Life Stories」がいちばんバンドとしてのまとまりがよく、かたや本作は楽曲がいちばんいいと感じました(確かに地味でおとなし目ですが、個人的には曲がかなり気に入りました)。残る「Gifts and Givers」はモレノ、ストリックランド、グリセットとメンツを揃えた分、ビッグネームに頼った楽曲の構成になり、3作の中ではバンドとしてのまとまりが落ちる感じがしました。楽曲自体も、構成を含め、やや散漫な印象が。ただモレノは最高ですが。

とはいえ3作とも、リズム隊のデキはハッキリ水準以上ですね。このコンビの演奏はジョシュア・レッドマンの「Back East」で初めて聴き、本当にブッ飛びました。特に同アルバム中・M-7のハーランドのドラミングは、現代ジャズ史に残る名演だと思います。

もともと「Back East」は当時、ラリー・グレナディアとクリスチャン・マクブライド目当てで買いました。なのに初めて聞く名前のルーベン・ロジャースとエリック・ハーランド組が明らかにダントツのデキだったので驚きました。「こいつらは誰だ?」と。それ以来、ロジャース&ハーランドの名前で検索しまくり、リズム隊目当てで手当たり次第にCDを買う邪道なパターンがしばらく続きました(笑)。その中の1枚が本作なんです。(あっ、つい力が入って長くなっちゃった。リズム隊の話になると止まらなくなります(^^;) ではまた今後ともよろしくお願いします。

失礼、ルーベン・ロジャースは「Back East」の前から聴いてました(^^;

失礼、少々記憶違いでした。ハーランドを初めて聴いたのは「Back East」でしたが、ルーベン・ロジャースの方はすでにジョシュア・レッドマンの「Passage of Time」と「Beyond」で当時、耳タコになるまで聴いてました。この2枚でコンビを組んでたグレゴリー・ハッチンソンも大好きなドラマーなので。
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Jimmy Greene(Ts,Ss)Lage Lund(G)Stefon Harris(Vib)5Xavier Davis(P,Rhodes)Reuben Rogers(B)Eric Harland(Ds)Rec. October 13-14,2008,NY (Razdaz SSC4608)ジミー・グリーンの通算7枚目のリーダー作(本人の...
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