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Jaleel Shaw / Optimism

Jaleel_Shaw_Optimism

Jaleel Shaw (as)
Lage Lund (g)
Robert Glasper (p, except 3,5,9, Rhodes on 2,4,6,8)
Joe Martin (b)
Johnathan Blake (ds)
Jeremy Pelt (tp on 7, flh on 11)

Rec. June 25-26, 2007, at Systems Two Recording Studios, NY
Engineer: Joe Marciano (Changu Records CR001)

音楽的な多様性を見せたメロウな快作

 アルト奏者、ジャリール・ショウが、2008年にリリースした2枚目のリーダー作だ。前々回にレヴューしたファースト・アルバムとくらべアンビエントで静かな楽曲も目立つが、テーマをばっちり決めた4ビートなどもあり満足度は高い。ショウが音楽的な多様性を見せつけた意欲作だ。

 ショウのオリジナルが9曲、スタンダードが2曲の計11曲。キメを多用したテーマがかっこいい4ビートのM-1に、浮遊するリズムが妖しい3拍子のM-3、ロバート・グラスパーがメロウなローズピアノを聴かせるM-4、ジェレミー・ペルトのトランペットが利いたM-7、シリアスでフュージョン的なM-10がいい。

 メンバー的には、ベーシストが前作のヴィセンテ・アーチャーからジョー・マーティンに替わり、新たにトランペッターのジェレミー・ペルトが2曲参加している。あとは前回と同じメンバーだ。

 ドラマーのジョナサン・ブレイクは前作とくらべ、バタバタした「あたふた感」がなくなり、プレイが落ち着いた。いい意味で力を抜き、抑えた演奏をするようになったようだ。相変わらず音数は少なくはないが、以前とちがい枯れた味わいが漂ってきた。

 また前作で抜群のメロディーセンスを発揮したギタリストのラーゲ・ルンドは、本作ではややサポートに回っている(M-5のソロは美しいが)。個人的にはルンドのソロがもっと聴きたいが、静的な楽曲を増やした関係上しかたないだろう。

隠れた主役はアンビエントな安らぎ感だ

 ルンドがバッキングに回ったこととも符合するが、今回のアルバムを象徴しているのは冒頭で挙げた派手な楽曲ではない。スローバラードのM-8であり、アンビエントなM-9、ミニマルミュージック的なM-11である。悠久の母なる海をゆらゆら漂うような、心地よくリラックスできる楽曲群だ。前作でも一部、「こっち系」の片鱗は見えたが、今回はそれが全面開花した感じである。

 一方、M-6はラップ的なビートだが嫌味にならず、たゆたうようなノリを気持ちよく聴かせる。若い黒人ジャズマンはとかく新しいことをやりたがり、ヒップホップやエレクトリックな要素を取り入れるなどして自己崩壊するパターンが多い。だがショウの場合はそうした要素を、あくまでピリッと利いたワサビ程度に留めているところがうまい。

 さて本作のキーマンはズバリ、ピアニストのロバート・グラスパーである。アコースティック・ピアノのみだった前作から今回は一気に4曲でローズを採用しており、サウンド面でかなりの化学変化を生んだ。グラスパーの操るローズが独特のメロウな音色をいかんなく発揮し、これがアルバムのカラーを決定付けている。

 シングルカット向けのメロディアスな要素やノリのよさでは前作が鮮烈だが、本作は一度ハマると飽きない味わい深さがある。冒頭で挙げたキャッチーな楽曲とミニマル&アンビエントな楽曲、それにスタンダードをアレンジした王道系の楽曲がばっちりハーモナイズしている。

 アルト奏者としてだけでなく、コンポーザー、メロディメイカーとしての才能も見せつけたショウは、次はいったい何をプレゼントしてくれるのか? 今年発売されるサードアルバムがいよいよ楽しみだ。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

このアルバムを取り上げている!!!

Grass_hopperさま、はじめまして
このアルバム私も大好きです
感覚が新鮮
今でもよく聴いております
今後とも情報交換させてください:)

マイク・モレノのキックスターター発・ニューアルバムが楽しみです

はじめまして。貴ブログにリンクしていただいたようでありがとうございます。貴ブログの「何で皆んな古いジャズばっか聴くの?」カテゴリーはすべて拝読しております。マイナーなミュージシャンを応援しようという姿勢に非常に共感しています。

ところでマイク・モレノがキックスターターでアルバムを出す、という記事を読みましたが、発売はいつになるのでしょうね? 楽しみです。では今後ともよろしくお願いします。

Another Way

グラスホッパー様
マイク・モレーノのキックスターター発の新譜
今日私の手元に届きました
タイトル『Another Way』
レーベルはケンドリック・スコットのWCMからです
一般リリースは手元のフライヤーによると3月6日となっております
ジャケット写真はマイクのウェブサイトにもでています

まだ聴いておりません これから聴いてみます:)

おー、3月6日発売ですか。必ず買います!

HamaVenturiniさん、こんばんは。

おおー、ニューアルバムはすでに完成しているのですね。ビッグニューズです。
3月6日発売ですか。必ず買います! 耳寄りな情報、ありがとうございます。

はじっめまして。拙ブログにコメントを下さりありがとうございました。

はじめまして、ぬどいと申します。

先月末にコメントを頂戴していたにも拘らず、気づくのが遅くなり大変失礼いたしました。
先ほどリプライを完了しブログに掲載いたしました。
当方の対応が遅れたこと、改めてお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。

上記のコメントで触れられているマイク・モレーノの新譜ですが、
もう既にご承知かとは思いますが、彼のサイトから購入することが出来ます。

http://www.mikemoreno.com/

既に発送されているので聴かれている方も多いようですね。
私は日本で扱われるのを待っているのですが・・・。
ちなみにYouTubeでダイジェストがアップロードされています。

http://www.youtube.com/watch?v=mzWZ2nWR2Mw
http://www.youtube.com/watch?v=57xm84jvtGc

もしまだ聴かれていないようでしたら、是非チェックしてみて下さい。
個人的にはかなり期待できるサウンドでした。

差し出がましくてすみません。

ぬどいさん、こんにちは

いえいえとんでもないです、謝って頂くようなことじゃないですよ。
こちらこそ恐縮です。

マイクの新作は直接買えるんですね。情報ありがとうございます。
実はちょうど、きのうYouTubeで試聴したところです。

曲がよく、彼のファーストアルバムに近い印象を受けました。期待大です。
やはり彼はああいう、アコギを織り交ぜたふんわりしたのがやりたいんでしょうね。
ではでは今後ともよろしくお願い致します。
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プロフィール

松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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