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Dave Allen / Real And Imagined

Dave Allen  Real And Imagined

Dave Allen (g)
Seamus Blake (ts)
Drew Gress (b)
Mark Ferber (ds)

Rec. 2007, at Skyline Productions, Warren, NJ
Engineer: Paul Wickliffe (FSNT 297)

ニューヨークの 「今」 を聴かせる若手ギタリスト

 ニューヨークの若手ギタリスト、デイヴ・アレンがFSNTからリリースしたセカンド・リーダー作だ。デビュー作は同じくFSNT発の 「Untold Stories」 (2005) 。メンバーは前作に引き続きシェイマス・ブレイクをテナーに迎え、リズム隊はドリュー・グレス (b) とマーク・ファーバー (ds) という豪華な布陣だ。

 全曲オリジナル勝負とあって陰影感のある佳曲が続く。ニューヨークの 「今」 を感じさせるコンテンポラリーなジャズだ。カート・ローゼンウィンケルばりの無機質でメカニカルなテーマが出てきたり、かと思えばスピード感のある手に汗握る展開が聴けたり。16ビート系、4ビート系とバラエティに富む。ちょっと一時期のマーク・ターナーを思わせる曲調だ。

 フィラデルフィア出身のアレンはマンハッタン音楽院(MSM)で学び、卒業後そのままニューヨークで活動している。本人によればジョン・アバークロンビーやパット・メセニー、ジム・ホールらに影響を受けたという。確かにジム・ホールをかすかに歪ませたような音色だ。

 バンドの演奏は過度にアツくならず、感情を抑制したクールな今風の醒めたジャズである。楽曲や方向性は私にはかなりストライクゾーンだ。ただし 「熱くなければジャズじゃない」 的な好みの人には少々とっつきにくいかもしれない。

 ギタープレイは音色も含めオーソドックスそのもの。技術レベルは高いし、フィンガリングやリズムも正確きわまりない。バッキングもうまい。だが惜しむらくはパッと聴いて後頭部をぶっ叩かれるようなインパクト、強烈な個性がない。ひとことでいえば線が細い。

 注意深く聴けば相当高度なこともやっているしすごくうまいが、音色が特徴的なわけでもないし独特のノリを持っているわけでもない。耳に残るフレーズは時おり聴かせるものの、その人特有の手クセを耳にぐいぐいねじ込まれ 「あっ、あのギタリストだ!」 と名前を当てられるようなインパクトには欠ける。

 このプレイスタイルのまま、腕利き揃いで生き馬の目を抜くニューヨークのジャズ界でライバルより頭ひとつ抜きん出るには……何か音色を変えるとか間の取り方を個性的にするとか、大胆にアウトするとか考えないとなかなかむずかしいかなぁ、という感じはする。実際、この豪華なメンバーでなければ本作を手に取ることもなかっただろう。

 とはいえ楽曲はどれもいいし、NYの若手にありがちな難解なマスターベーションに陥る気配もない。過度にトンがるわけでもなく、かといって手垢の付いた平凡レベルに留まるわけでもない。音楽的センスは感じさせる。

 てなわけでもう少し聴いてみる気になり、速攻で彼のファースト・リーダー作 「Untold Stories」 (2005) を発注しました。おヒネリは投げたぞ、がんばれよー。

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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

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松岡美樹

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