スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Armen Donelian / Leapfrog

1

Armen Donelian (p)
Marc Mommaas (ts)
Mike Moreno (g)
Dean Johnson (b)
Tyshawn Sorey (ds)

Rec. July 19-20, 2010, at Firehouse 12 Studio, CT
Engineer: Nick Lloyd (Sunnyside SSC4010)

エスニックなスパイスを効かせたNYコンテンポラリー最前線

「これが60才を過ぎた演奏家の作るアルバムか?」 と驚くほどコンテンポラリーな作風だ。独特のエスニックな愁いを帯びた翳りのあるメロディーと、効果的なリフが耳に残る。レア盤ピアノトリオ作品 「Trio 87」 で知られるアルメニア系ピアニスト、アーメン・ドネリアン (1950年・NY生まれ) がサニーサイド9作目として放った最新作である。

 フロント陣がユニゾンで奏でるテーマやキメは、とことんいま風でトンガリ感が漂う。ギターのリフがド派手なM-1のインパクトが強いが、イントロのピアノが美しいM-3やラテン風でゆったりしたメロディーが心地いいM-7など、アルバム・トータルとしての完成度はかなり高い。ミディアム~スローの味わい深い佳曲が多く、満足感の高い作品だ。

 メンバーは現代NYの才能たちが集まった。さながらヒット作請負人と化したマイク・モレノ (g) に、オランダ出身でニューヨーク在住のマーク・モマース (ts)。リズム隊はディーン・ジョンソン (b) と、今や熱狂的なファン層を獲得しつつあるタイション・ソーリー (ds) だ。中堅ピアニストが旬な若手を集めて作ったアルバムという観がある。

 メンバーのモマースが持ち寄ったM-5以外、7曲すべてオリジナルだ。冒頭に書いた通り、この年齢の音楽家が作ったとは思えないほど今っぽいナンバーが続く。ドラマーのタイション・ソーリーはM-1で音数の多い暴力的なドラミングをぶっ放すが、M-2以降は打って変わって周囲の状況を把握したプレイぶりでプロっぽい。もちろんM-1のアグレッシヴなプレイもいいが、2曲目以降の通好みな展開もオツである。

 悠久の大地を想わせるかのようにたゆたうモレノのギターもすばらしい。決して強くピッキングせず、ほんのり軽いタッチを大切にしながら爪弾く彼のセンスにはまったく痺れる。

 一方、有望な「これからの人」であるモマースのテナーもすごくいい。この人は絶対にわかりやすく爆発しない。ジョー・ロヴァーノ~マーク・ターナー系の決して力まない抑制的な侘びさび感がたまらない。

 彼らとくらべドネリアンのピアノは強烈なアクこそないが、技術レベルとセンスのよさは充分伝わってくる。質の高いコンポジションを土台に、彼ら3人がそれぞれソリストとしての個性をいかんなく発揮した。この作品は総合力の勝利である。
スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

非公開コメント

プロフィール

松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

最新記事
カテゴリ
ブログ内検索
全記事一覧・表示リンク

全ての記事を表示する

月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。