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Marc Mommaas / Landmarc

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Mark Mommaas (ts)
Nate Radley (g)
Tony Moreno (ds)
Vic Juris (g on 2, 6, 9)
Rez Abbasi (g on 4, sitar on8)

Rec. February 16-17, 2009, at Charlestown Road Studios, NJ
Engineer: Paul Wickliffe (Sunnyside SSC1249)

ギターの夢魔な響きと空間の広がり

 ベース・レスなバンド編成の可能性は、いろんなミュージシャンによって探求されている。数をあげればキリがないが、ここ数年ではポール・モチアンの 「Lost in a Dream」 (2010) などは新鮮だった。

 ベース・レスのメリットはふたつある。ひとつはバンドの音が重たくならないこと。そしてもうひとつは空間が生まれることだ。ベースをなくすことで空間を音で埋めてしまわず、何もないスペースを作り出す。その空間にプレイヤーが自由に入り込み、クリエイティヴなプレイを繰り広げる。ニューヨークで活動するオランダ人テナー奏者、マーク・モマースの最新作は、そんなスペイシーなおもしろさにあふれている。

 バンド編成はテナー、ギター、ドラムの3人だ。ギターパートはネイト・ラドリーを軸に、楽曲に応じてベテランのヴィック・ジュリスとパキスタン出身のレズ・アバシら2人のギタリストが交互に参加している。全9曲すべてオリジナルだ。

 この編成でカギを握るのがギタリストのコードワークである。冒頭からラドリーが不思議な響きを放ちながら空間に彩りを添える。彼は本作でめざましい仕事をしている。その上空をモマースのテナーがクールなトーンですいすい泳ぐ。かと思えば2人がユニゾンでぐりぐりキメのフレーズを繰り返し、盛り上げて行く。

 モマースはけっこう速いパッセージを吹いたりしているが、額に血管浮き立たせて力んでいるようなところがまったくない。ひょうひょうと、淡々と、肩の力が抜けた老子のようなプレイぶりである。

 テナーが吹くのをやめればギターとドラムのデュオになり、ギタリストがソロを取る。そこにテナーがフレーズを挟むこともある。3人から2人へ、2人から3人へ。臨機応変にクルクル編成が変わるところがおもしろい。本盤はテナー奏者のリーダー作だが、アルバム全体のイメージを決定付けているのはギターの響きだ。このベース・レスな編成は無限の可能性を秘めている。傑作である。

 マーク・モマースは1969年オランダ生まれ。1997年にニューヨークへ渡り、マンハッタン音楽院で学んだ。1999年にリリースされた 「Global Motion Trio」 でデビューし、その後、Sunnysideから本盤を含め3枚のリーダー作を発表している。
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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

Comment

ベースレス、サックスの音色に惹かれました

松岡様、お久しぶりです、寒いですね!
流石ですね!読ませていただきました。
ベースレスの編成とギターが絡む構成は面白いと思いました。
それとマークのサックスの音に惹かれました。
拙ブログのリンクを貼らせていただきます。
http://ameblo.jp/otremazul/entry-11169564852.html

Izui Ochoswiyerさん、こんばんは。

このアルバムは貴ブログで見かけ、買ってみたらば大アタリでした。
貴重な情報ありがとうございます。
目下、モマースは他アルバムもあれこれ物色中です。(ちなみにセカンド盤がきのう届きました)
リンクも、どうもです!
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松岡美樹

Author:松岡美樹
予定調和じゃない最近のJAZZが好物です。

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